(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2552)
通関士試験の合否基準(得点評価)は、”総合得点”ではありません。「受験案内」に記載のある通り;
3 試験の方法等
(2)試験合格のためには、前記3(1)に掲げる各試験科目とも合格基準を満たす必要があります。と記載され、(※)《3》通関書類の作成要領その他通関手続きの実務の試験科目に関しては、(通関書類の作成=輸出申告書・輸入申告書)と(その他通関手続き)が分離されています。つまり、(申告書類)と(その他)のそれぞれにおいて、(基準点以上の正解)をする必要があります。
さらに、その「合格基準」に関しては、「通関士試験の合格基準は事前には公表しておりません。合格発表の際に公表することとしています。」とされています。
近年は、「各試験科目ごとに”6割以上~”」が一般的な公表ですが、問題の内容によって、
1割や1問の修正が生じた試験年度もありました。
しかし、”6割以上~”という表現を厳密にみれば、6割以上が合格基準達成で、6割以上のどのレベルが(合格か?)という「具体的な合格判定基準」は、何一つとして公表されていないという暗黙の世界です。
☆ 『輸入申告書の作成問題=(芋蔓(いもづる)失点』
「輸入貨物の所属区分は苦手だから、申告価格で得点する!」と豪語する猛者も中にはいます。
しかしながら、7~10品目の輸入貨物を5欄の申告欄(解答欄)に所属区分してまとめるわけですから、この所属区分の分類を誤れば、結果的に各欄の申告価格も誤ってきます。所属区分の誤りは、1欄のみの誤りということはまれで、2~3欄にリンクしての誤りとなり、申告価格も誤ってきて、複数の解答欄の誤りにリンクしての数点を一挙に失点してしまいます。
さらに近年の「輸入申告書問題」は、その申告価格に(課税価格の決定方法)における加算要素等の実務的補正要素を必ず加えてきています。この加算要素や控除費用等の算入計算の判断を誤ると、解答欄の5欄への経費の(按分)によって、”5欄の全ての申告価格が誤り!”となって、申告価格の解答欄すべての失点=5点を失う結果になります。
☆
すでに、7月中旬です=本試験まで残り、2ヵ月半です。(関税法等)や(通関業法)で躊躇・足踏みしている段階ではすでにありません。(関税法等)や(通関業法)で不合格となったとするレベルは”問題外!”です。
(合格)・(不合格)を分けるポイントは、「輸出入貨物の所属区分」と「課税価格の決定方法」の二つに間違いなくあります。この2点の克服なくしての”合格”はありえません。
「克服」とは、単に(理解できる)という意味に留まらず、(本試験時間内での敏速・適正・合理的な解答処理)という解答スピードが付きまとうという重要ポイントを決して忘れないでください。(通関実務科目は、出題のボリュームに対し、あまりにも短い試験時間と言えます)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木