(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2403)
国境での税徴収に始まり、関税による国内産業の保護、麻薬密輸や偽造医薬品の取り締まり等による国民の健康と安全の確保、貿易円滑化による経済発展・貿易・投資の促進、国際サプライチェーンのセキュリティ確保、環境保全等、いまや税関の役割は非常に多様化しています。
これらの税関の多様な役割を果たすために、各国の税関がどのように対応しているかですが、WCO(World Customs Organization)=世界税関機構)加入メンバーについて各国税関の組織形態を見ると、いくつかのパターンに分けられます。
1)
日本の税関のように、財務省の一部局という形態が全体の約半数を占めます。
2)テロへの対応という観点から、税関や輸出入管理等、国境に関連する役所を集めた
国境管理局型もあります。アメリカ、カナダ、オーストラリアがこれに該当しますが、
多くはありません。
3)歳入という観点から、内国税と税関をまとめた
歳入庁型が約24%あり、アフリカの東
側の英語圏の国、ブラジル等の中南米諸国に多いのですが、内国税と税関での税の
徴収の仕方が異なることから、歳入型にしたことによるメリットを受けることができ
ていない例もあります。
4)独立の
関税庁型が約25%あります。ニュージランド、韓国等がこれに該当します。
税関への様々なニーズに対応するためこれら=上記4タイプの税関の組織形態ができてきたのですが、歳入、貿易円滑化、セキュリティ、密輸対策、汚職対策等、何を優先するかは各国税関によって違います。
(記事:日本関税協会 貿易と関税 2013/10月号)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木