(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2488)
何が? (通関士試験をここまで、”いこじな試験”に変えてしまったか・・)とは思いませんか?
僕自身は、第12回=昭和55年(1980年)の合格者で現職の通関士ですが、当時の試験は実に”おおらかな内容”であったように思います。当時は”すべて筆記式解答で、ご承知の通りの誤字脱字で、解答用紙にとにかく”書き殴ったように記憶しています。
【通関士試験の誕生】
関税額の算出・確定は税関による=「賦課課税方式」から、輸入の拡大に伴い47年前に「申告納税方式」を原則とするよう切り替えられました。しかしながら、専門的知識と手続きを必要とすることから輸入者は、知識を持つ専門業者に依頼/代行させ、独占業という特権を与えるとともに、国家として認めた(通関士の設置)等、義務を定めた「通関業法・(通関士)」が誕生し、許可、確認という税関の管理下に置くという行政管理体制がスタートしました。
【通関士試験・出題内容の変化】
通関士試験の出題内容が変わった要因として大きく言えば”二つある!”と感じています。
1)受験産業=(受験スクール)との攻防です。
本来の通関業の理解。通関業務への適正云々よりも、過去問題の分析による(受験テクニック)優先での合格者が優勢を誇り、本来の税関が望む資質の人材の合格が排除される危機となっていた。業界からも、(通関士試験合格者と言えども、何も知らなくて、現場では使い物にならない)の通関士試験そのものに対する不信感も発生し始めていました。(過去問消化による”付け焼刃知識”での合格者の排除)が変化のその1)です。
2)AEO制度⇒AEO国家相互認証制度です。
とりあえず、我が国の関税・通関行政が処理できればいい。という時代から(貿易貨物にかかるセキュリティの安全確保と税関手続きの簡易・敏速化の両立)という合入れない矛盾する内容の両立の中でのコンプライアンス(法令順守)で仕分け、なおかつ、我が国のみでなく、国家間でそれを相互に承認しあうという時代に立ち入ったのです。
☆「輸入手続きに要する時間の短縮」の違いを見れば、”通関士にどのような能力が求められている か? 必然的に理解できます。
「一般貨物における平均所要時間の変化」
・平成3年 入港~搬入:47.6時間
搬入~申告:84.9時間
申告~許可:26.1時間 合計:168.2時間
(7.0日)
「AEO貨物における平均所要時間」
・平成21年 入港~搬入:18.8時間
搬入~申告:21.7時間
申告~許可: 0.1時間 合計: 38.6時間
(1.5日) (※)通関時間は、わずか6分です。
◎現状~今後、AEO相互認証を睨んだ中での「通関士に求められるスキル」とは、”適正で敏速な処理スピードなのです・・。
つまり、(時間をかければ解ける)とか、(自分のペースで・・)、(自分なりの判断方法)では、”お呼びでない世界!”です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木