(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2484)
関税法施行令第59条の2に規定する(輸入申告価格)は、「関税定率法第4条~第4条の8までに規定する方法により算出された価格”通常はCIF価格”とする。」となっています。
「CIF価格」というと=Cost,Insurance & Freightの略ですから、(輸入港における、運賃・運送保険料込み価格)となります。
つまり、「FREIGHT-PREPAID」=(輸送費前払い=輸出者払い)のはずですよね・・。
あるいは、貿易実務検定試験のB級あたりまでを持っている人は、「定期コンテナ船における海上運賃体系は特に(ライナー・ターム)と呼ばれる(バース・ターム)で、海上運賃には本船への貨物の船積みと船卸し作業費が含まれた運賃である」と学習したと思います。
これらの(原則)でいけば、「CIF条件」で売買契約を締結し、CIF条件でのインボイス価格を現実の支払い価格とした場合(他に補正すべき要件が無い場合)においては;
〇 輸入者は、船会社に支払うべき運送関係の金額はなしで、荷物を引き取れる。
〇 CIF条件でのインボイス価格を、そのままに申告価格とすることができる。
と思いますよね・・。
現実下においては、(原則)通リでは「通関」はできません。「CIF条件」で輸入したにもかかわらず、輸入者は”相当,高額な運送に係る費用を船会社に支払って貨物を受け取っているのが事実です。
アジア地区(特に中国航路)においては、"Ocean-Freight"そのものは確かに”PREPAID”となっていますが、、コンテナ・ターミナル費用である(THC)を代表として様々な諸費用が多い場合には10項目以上も、次々と新しい費用項目を誕生させて、”輸入者払い”で、請求されてきます。「Freight-Prepaid=運賃前払い済み」だからと、これらの支払いを拒むと、船会社は貨物の引渡しを拒否します。
(海上運賃=Ocean Freight)の実に”5倍以上の額の輸送関連費用=Charge)の船会社からの請求書に遭遇したことも実際にあります。
つまり、現実の通関処理においては、(CIF=Freight Prepaid)とか、定期コンテナ船における運賃が(ライナーターム=バースターム)などという(原則論)は、まったくに意味を成しません。
50年以上も前の貿易での言葉が、”言葉としてのみ法律の中で残っているだけ”であって、輸出入の実態は、それらの言葉で押さえ様もないほど変化しています。
具体的にいえば、DAP、DATなどの「2群11類」による(インコタームズ2010)が発表されているに係らず、(旧在来船型:CIF条件)で、関税法が規定され、作成された出題を回答していくわけですから、”原則通りの四角四面な思考回路で、正解が出せるはずもありません”。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木