(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2429)
我が国は17ヶ所・54基の「原子炉」を持つ(世界第3位の原発大国)です。
『原発の発電コスト』については、”意図的な計上数字である”との内容は以前にアップ
済みですが、具体的に内容を見てみましょう。
1)発電コスト試算には「初年度発電原価試算」と「耐用年数発電試算」があり、原子力の
場合、原油価格が高騰すると「初年度発電原価試算」で計算し、原油価格が急落すると
「耐用年数発電試算」と、原発に都合の良い試算法でのコスト数値が公表されてきました。
当初、原発の耐用年数(運転年数)は、減価償却の終わる法定耐用年数16年とされて
いましたが、現在の原発の耐用年数は40年に変更されています。
2)原発の発電コストには老朽原発の(解体費用)と(廃棄物処理費用)は算入されていま
せん。東海原発(出力:16.6万KW)の場合、解体に350億円、核廃棄物の処理費用
に約580億円、合わせて930億円もの見積もりがなされていると言われています。
我が国の100万KW級の原子炉(54基)を安全に解体・廃棄するための費用を計算
すると、”天文学的数字”になります。
3)原発の設置場所はその全てが、都会から遠い地方の海岸部です。電力を大量消費する
都会・工業地帯までは相当の距離があり、他の発電方法に比べての「送電ロス=長距
の送電中における送電線自己抵抗による電力低下)」はバカにできません。それに伴い、
現状は、送電ロスを最大限に抑えるため大規模な変電所が設置されています。
この変電所の設置・保守・管理費用も相当額と想定できます。
4)一時期、原子炉の燃料であるウランの燃えカスがさらに新規の燃料を生み出すとの公
表値で(プルトニューム原子炉)が盛んにPRされましたが、原発一基分/一年の燃料
として”ウラン:30トン)の燃料用ウランを作るために採掘される残土は約240万トンに
も上がります。ほぼ全量を輸入に頼っていますが、輸出国の環境破壊は膨大なものが
あります。
5)揚水力発電所とのセット化が必要です。燃料棒の注入数によって、原発での発電出力
は、ある程度の出力調整は可能ですが、原則的には”フル発電”であり、市場の消費
量以上の余剰電力を消化させるために、電力を消費させて高い場所に水をポンプで汲
み上げて落水させるための「揚水力発電所」を一体として建設・稼動させる必要があ
ります。
〇(ウラン鉱石の採掘)・(核廃棄物処理)・(原子核の崩壊停止=放射線停止)まで、
常に”放射能汚染”の危険が伴い、汚染との戦いを強いられるのが『原発』です。
☆ ”夢のようなエネルギー資源”とは思いますが、結局、瞬時に核融合・核分裂させる
大量破壊兵器としての(核爆弾)・(核ミサイル)を除いて、人類が、安全・安定
して(原子力をコントロール)することは、”次期早々~・・”・”不可能”の気がしてな
りません。
と言うか~、宇宙=神の手に在る物を、人類が触れてしまった・・という気持ちですね。
いずれにしても、我が国の原発政策を捉えて、
”トイレの無い高級マンション”との揶揄
は適正な言葉だとは感じています。
記事参考:http://www.nuketext.org/index.htm)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木