(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2419)
日本が世界で始めて「メタン・ハイドレード」の試掘採取に成功した。というニュース
ですね。しかし、現状ではコストが輸入「天然ガス」の3倍ほど必要で、コストダウンが
課題のようですが、僕は日本の蓄積された技術力を信じます。何でも、最初はそうでしょう。
元々我が国は、原油価格との抱き合わせ価格契約を迫られていますから、欧米の天然
ガスの輸入価格に比べ、2~3割高い価格で輸入しています。それが、東北大震災による
原子力発電所の停止で足元を見られ、天然ガスの輸入価格は一挙に、1.9倍にはね上が
っています。
反対に、シェール・ガスの増産を始めたアメリカの天然ガス価格は半額に減じています。
米国のシェール・ガス価格に比べて6倍以上もする「メタン・ハイグレード」を早期に
シェール・ガス価格なみの原価で採掘できるように技術革新を急ぎ、合わせて地熱
発電などの安全・低価格化を急がないといといけませんね。「ミドリムシ」も、どこまで
進んでいるのでしょう。
☆この「天然ガス入手価格差」を招いた”無作為の現状”を「1000年に一度の未曾有の
天災だから、仕方がなかった・・」と誤魔化すのか?
コストダウンを急務として、アメリカのように、(エネルギー資源輸入大国)の日本が
(エネルギー資源輸出国)に転じるのか?
”国民は見つめていますよ~・・”
(天然ガス)も(シェール・ガス)も(メタン・ハイグレード)も、その主成分は”メタン・ガス”
です。
・割と地中の浅い部分の原油層の上に溜まっているメタンガスをパイプで地中から噴出さ
せたものが
「天然ガス」です。
・地下2000メートル付近の深い地層の頁岩(シェール)の硬い石の中に閉じ込められて
いるメタンガスの気泡を(水平掘削・高水圧破砕法)と呼ばれる新しい掘削法で新たに
採取できるようになったものが
「シェール・ガス」です。
古い大陸の米国やカナダの地下には広大なシェール層があるのです。
・海底深度の高圧・低温状態で、メタンガスが水分子と結合して固体となっているものが
「メタン・ハイドレード」です。
〇 この「メタンガスを主成分とする”天然ガス”」は、マイナス162℃まで冷却する
と液体になり、体積が600分の1になります。
この
ー162℃の液体メタンガスが=LNG(Liquefied Natural Gas)=液化天然
ガスと呼ばれるのです。
〇 家庭にタンクで運ばれる
「プロパンガス」は、原油の精製所で、ガソリンや石油を取
り出す前に製油塔から取り出される”原油起源のガス”です。
☆ このLNG「液化天然ガス」を海上運送する専用船が
「LNG運搬船」です。
世界的な「天然ガス需要の急拡大」は、衰退する我が国の”造船業界”にわずかばかり
の復興をもたらすかもわかりません・・。1隻=200億円以上という外航船の中で
はずば抜けて高額な建造費の「LNG運搬船」は、数々の特殊な技術を必要とするばか
りか、省エネや環境対策の新技術を盛り込んだ我が国の「LNG運搬船」は、各国から
の受注の独占状態となる可能性が高いです。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木