(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2382)
何故、このブログに彼女が登場するのか? ”ミスマッチ”ですよね。(笑)
実は、このブログ「貿易ともだち」は直接的には税関手続きと貿易実務のスキル向上を
目的とはしていますが、間接的に
「貿易を通じて、外から日本を見つめる」という大き
な思いがありました。
「塩野七生」は、イタリア在住の作家で(ローマ人の物語)を代表作としてローマを
中心とする欧州の歴史・政治に非常に深い洞察を持ち、そこから現状の日本に対して、
新鮮なコメントを投げかけてくる女性です。
この意味で、直接的な政治評論家の(桜井よしこ)や、経済評論家の(浜 のりこ)
の両名よりも僕自身は、非常に興味を持っています。
「長年にわたって私の頭を占め続けてきたことがある。それは、
なぜ民主政から衆愚政
に移ってしまうのか、という疑問で、これについて考え始めたきっかけは、「ローマ人
の物語」の第1巻で、古代ギリシャの都市国家・アテネについて書いたときからだった。
衆愚政とは有権者の一人一人が以前よりは愚かになったがゆえに生じた現象ではなく
かえって有権者の一人一人が以前よりは声を高く上げ始めた結果ではなかったか、とい
うこと。
それに加えて、これら多種多様になること必定の民意を整理し、このうちどれが最優
先事項かを有権者達に説得した後に実行するという、冷徹で勇気ある指導者を欠いてい
たのではないか、と。
なぜ、ペリクレスの死を境に、当時の地中海世界の最強国であったアテネが衰退する
一方になってしまった要因として多くの歴史家があげているのが
衆愚政である。
ソクラテスの弟子たちも加えて個人的には優秀で魅力的な政治家たちが存在したアテネ
なのに、そしてこのアテネの有権者たちも、言論の自由を謳歌していたのに、なぜアテネ
全体としては衆愚政に変わってしまったかについては、明快な回答を与えてくれた人はい
ない。
つまり、有権者たちはリコウなのに、なぜ国全体としてはバカになっちゃうの?
という素朴な問いへの答えは出ていない」
(記事:文芸春秋 2013/01月号 「民主政と衆愚政」)より
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木