(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2377)
これまで日本国内の火力発電事業市場では、(三菱重工)、(日立)、(東芝)の三社
の間での競合が続いていました。内、自前の主要機関であるタービンを持つのは(三菱重
工)のみで、(日立)と(東芝)は共に(GE)からの提供に頼ってきました。
昨年11月に、(三菱重工)と(日立)が”発電事業統合”、(日立)は(GE)に頼る
必要性はなくなりました。残る(東芝)の行方が注目されている中、今回の(東芝)と(G
E)の合弁設立の話題でした。
『J型ガスタービン』:(ジェイ型ガスタービン)というのは、三菱工業の最新鋭機種です。
2009年に世界最大、再考効率をうたって商用化に着手し、現時点ですでに20台弱の受
注があるという。「J型ガスタービン」は、LNG(天然ガス)で駆動するばかりでなく、従
来型の(蒸気タービン)としても稼動でき、(ガスタービン)+(蒸気タービン)の両駆動
も可能な(LG)のガスタービンの性能をはるかに超える文字通り、世界トップの大型高効率
の火力発電ガスタービンです。
『火力発電(ガスタービン)の営業利益率』
トップ企業の(GE)をみると、ガスタービン事業の(営業利益率)は25~30%と高い
利益を生み出す”高収益事業”です。
中でも注目すべきが、「サービス事業」です。ガスタービンは高速回転する上、部品は
1500℃・200トンという高温・高圧下で稼動されるため、日常の保守(メンテナンス)
が欠かせません。
「ガスタービンは、(製品本体価格)と、事後の(サービス価格)がほぼ同額」と言われて
います。さらに(利益率)では(サービス価格)の方が高いのです。
つまり、電力会社にガスタービンを(タダで納入)しても、ペイできる。という世界です。
(三菱重工)は、20世紀の日本の”モノ作り屋さん”で、優秀な機器は作るけど、この
「サービス事業」で儲けるというノウハウは持ちませんでした。
一方、事業統合相手の(日立)は、エレベーターやエスカレーターでの「サービス事業」
で儲けるというノウハウが蓄積されています。
(三菱のモノ)と(日立のサービス)ノウハウを統合、これを事業統合して、世界市場に打
って出る。
☆ 実は、昨日の話題・「産業革新機構が、SONYが開発した『リチューム電池事業』を
(ソニー)、(日産)、(NEC)を業界再編に乗り出した。というニュースも、海外企業と
の「事業統合」による”国産技術の海外流出”を防ごうとする同一の動きです。
(記事参考:DIAMOND online (ダイヤモンド 数字で会社を読む 第92回)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木