(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2507)
全号でのTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)における”実質的な賛否論題”と
なっている『ISDS条項』の話題は解りにくいですよね。
〇 (多国籍企業)は、オーストラリアと香港間の二国間投資協定中の条項に基
づいて、オーストラリアが行った、”禁煙を目的とするたばこパッケージ規制法案”
に対する保証を求めた。この法案は、差別的なものではなく、重要な公衆衛生問題
への対処を目的としたものであった。
〇 アメリカ合衆国の農薬製品メーカーは、カナダ政府がカナダ保険省を通じて
食用穀物に対する(殺虫剤)の使用に係る農薬ビジネスを終了させたと主張。
〇 2008年、米企業ダウ社は、(除草剤)の販売と一定目的の使用を禁じた
州法措置により、損害を受けたと仲裁を求めた。
TPP参加反対サイドの意見
「ISDSは、内国民待遇(National Treatment)=FTA(自由貿易協定)の基本精神
を与えた外国企業に、国内企業よりも有利な法的権利を与えることを強要されるもので
あり、加えて、ISDSは、健康、環境、経済に関する国内法を制定する受け入れ国政府
の能力を制約する可能性がある。と危険視するものです。
TPP参加、ISDS条項の賛成サイドの説明の具体例
2009年、「ベネズエラの鉄鋼国有化事件」で、日本企業が出資(約70%)
した鉄鋼原料プラントの全株式をベネズエラ政府に売却するように強制された。)
このことから、国際的な仲裁裁判外解決機関として、
ICSID(International
Centtrefor Settlement of Investment Disputes)=「投資紛争解決国際センター」
に仲裁を委ねる=「ISDS条項」として協定に盛り込む必要性を述べるものです。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木