(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2410)
関税分類が国ごとに異なれば、関税率の適用に当たり、統一性・透明性が確保されなく
なり ;
・適用税率の予測ができず、貿易取引のコスト計算が難しくなると、投資にも影響が出て
くる。
・関税交渉においても、対象品目の範囲・定義が明確に定まっている必要があるが、これ
に支障をきたす。
・国際貿易に関する輸出入統計を正確に把握することも重要であり、それができなくなる。
・安全保証、環境保全等の予備的水際取締りコントロールが不可能になる。
・事前品目選別に基づく、貿易の円滑化を阻害する。
これらは、国際的に、統一・共通化された”品目所属区分”=”共通の商品認識”があって、
初めて成し得るものである。
『貿易貨物の分類統一』は、(関税率の適用)の観点からのみならず、今新たに(セキュリテ
ィの確保)、(地球環境保全の確保)等の観点からも、正確な分類が要求されている。
分類の不統一は解決できるのか?
それでは、どのようにすれば、”分類の不統一”は解決できるのであろうか?
これまでも幾多の不統一の事例があり、WCO(世界税関機構)のHS委員会で検討され
て
きた。同委員会が国際的に国際物品分類をする唯一の機関であり、国際貿易貨物につい
ての「International\Court」の役割を担っている。 同委員会では、分類の検討のため
のドキュメントの作成とそれに基づく詳細な議論が必要なため、処理できる件数はせいぜい
年間で数十件である。
各国の現場では、毎日大量の申告が行われ、その都度HS品目表による分類が行われ
ている。これらを瞬時に摺り合わせて不統一を解決していく、あるいは、二国間で不統一を
解決するような方策は今のところない。
ー次号に続くー
(記事:貿易と関税 2012/1月号 「HSとサプライチェーンのセキュリティ」
長瀬 透 元WCO関税・貿易次長 HS担当
ー政策研究学院大学・青山学院大学 客員教授)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木