(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2288)
延々と貿易黒字を積み重ねてきた日本が
(31年ぶりの貿易赤字に転落!)のニュース
はすでに、1月10日のNo.2275でアップしています。
輸出立国の日本として、貿易赤字=輸入額が輸出額を上回った状態になると、円を米
ドルなどの外貨に替えて海外に支払う(円売り/外貨買い)が増えることになるため、一般
には外国為替市場で(円安)が進みやすくなると言われています。
しかし、「円相場」の現状は、一向にその(原則)は見られません。むしろ、(円高)が進
んでいます。
その要因の一つとして、「経常収支」が黒字で推移していることが挙げられます。
日本の対外経済取引の収支は、いわゆるモノ(財)の出入り=輸出入を示す「貿易収支」
のほか、サービスの国際取引を示す「サービス収支」や、海外保有資産が生み出す利子
や配当金などの出入りにあたる「所得収支」など、複数の収支項目から構成されます。
これらのすべてを合計したものが『経常収支』です。
日本の政府が保有する外貨準備や、日本の企業・個人が保有する海外の国債・株式や
債権・不動産などの金融資産。そして日本の金融機関による海外投資などを累計した額
である
「対外純資産」は、2009年度末時点では、266兆円超に上り、19年連続で世界
第1位を記録しており、その恩恵から「貿易収支」が少々悪化しても、日本の「経常収支」
は
大幅な黒字を維持しているのです。
企業や個人投資家は外貨で受け取った利子や配当金・地代などを円に交換する場合が
多いため(円買い=外貨売り)につながりやすくなります。
つまり、「貿易収支」が”赤字”になっても。それを「所得収支」の”黒字”が補い、「経常収支」
としてプラスが続く間は、輸入代金を支払う(円売り=外貨買い)がインパクトとならないため
本格的な
(円安トレンド)へは向かいにくいと考えられます。
(記事参考:貿易収支赤字の影響ーいま聞きたいQ&A)より~
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木