(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2285)
『今年は、世界大恐慌! 榊原英資氏が警告』
今年も新年早々、不景気な話が続いているが、昨年は世界経済が重大な局面を迎えた
年であった。ヨーロッパでは、ギリシャから始まった経済危機が各国に飛び火し、EU全体
へと波及した。アメリカでも景気後退が止まらず、ドルが暴落。日本もデフレ不況から抜け
出せず、東日本大震災の打撃からなかなか回復できずにいる。さらに増税やむなしの議
論までもが横行し、先行きがまったく見えない。
「今年、世界経済は一体どうなるのか?」
この世界経済の行方を大胆に先読みした本がベストセラーになっている。
著者は
「ミスター円」と呼ばれる元財務官の榊原英資氏。
『(通貨)で読み解く世界同時恐慌』(アスコム刊)という本である。
榊原氏は、2010年に出した「世界同時不況がすでに始まっている!」で世界同時不況を
予見しズバリ言い当てた。「この不況は3~4年どころか世界規模で『失われた10年』にな
る可能性が大いにある」、「1ドル=70円台前半になるだろう」と、今、榊原氏の言った通り
の状況になっている。
新刊で榊原氏は、2012年は「世界同時不況」から一歩進んだ
「世界同時恐慌」の段階に
入ると警鐘を鳴らしている。世界経済の中心がアメリカから中国に移行しつつあるなか、
欧州発の「第2のリーマン・ショック」が起き、、1ドル=60円台に突入する」と言う。
さらに本書では、「通貨」とは何か? なぜ為替は変動するのか? 市場介入などの経
済の基礎も解り易く解説する。 1ドル=60円台もあり得る中で、私たちは何をなすべき
か、その処方箋も提示。政府に対しても
「円高は日本の国益」ということを前提にした、
攻めの戦略への転換を求めている。
年の初めに、本書を読んで世界経済の動向をつかみ、どうすれば2012年を乗り切れる
かを考える一歩になるはず。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木