『(ユーロ安)、(ドル安)よりもダメージ深刻・・・』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2284)
『ユーロ安、ドル安よりもダメージ深刻・・・輸入少なく使い回しできず』
日本の輸出業者にとって『円高=ユーロ安』は『円高=ドル安』よりも大きなダメージと
なる。
原材料や部品を輸入する際、ほとんどをドル建てで決済しており、ドル安になれば、割安
に輸入できる上、輸出代金として得たドルを輸入の支払いに使い回すことが可能だ。
しかし、ユーロ建ての輸入はほとんど無いため、円に替えるしかなく、為替差損が発生する。
円高=ユーロ安で再び問われる日本の対応・・・
ユーロ急落、一時99円47銭 対円で・・・
ソニーの場合、対ユーロで1円の円高になると、営業利益が年間60億円目減りする。
これに対し、対ドルで円高が進んでも、輸出で得たドルを支払いに充てることなどで、
影響額はほとんど「ゼロ」だ。
ユーロ圏には、調達先の部品メーカーや生産を委託する組立てメーカーが少なく、ユー
ロは処理できない。同社は「コスト削減を進めるか、ユーロ建ての調達先を極力増やすし
かないが、それには限界がある」と頭を抱える。
日本総合研究所の下田祐介研究員が、日銀企業短期経済観測調査(短観)の昨年12
月調査をもとに円高の影響を試算したところ、製造業全体の今年度下期の経常利益は、
円・ユーロ相場が1ユーロ=98~97円で推移した場合、短期の予想よりも1150
億円も目減りする。
これに対し、円・ドル相場が1ドル=75円まで円高が進行した場合、逆に180億円の増益になるとの結果がでた。
製造業全体では、輸出に伴う為替差損よりも、輸入に伴う為替差益の方が大きくなるためだ。
(記事:サンケイ・2012/01/13)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木