(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2282)
我が国の『鉄鋼』大手の収益が一段と悪化する。
(新日本製鉄)の2012年3月期の連結計上利益は、前期と比べて4割減の1300億円
程度になる見通し。従来予想では2割減の1800億円であったから、予想より20%も落
ち込むことになる。
(JFEホールディングス)や(住友金属工業)の経常利益も”数百億円規模の下振れ”とな
る見込み。(新日鉄)と(JFE)は今期の粗鋼生産計画をそれぞれ、100万トン程度下方修
正する見込みである。
(東北大震災)、(タイの洪水)とサプライ・チェーンの寸断による製造業の低迷に加え、
アジア勢との競争激化で、我が国の鉄鋼の収益は一段と悪化しているのは事実である。
しかし、(新日本製鉄)でみると、「連結計上利益」予想額が1800億円の予定が、2割少な
い1300億円しかなかった。=1300億円の(経常利益)はあった。ということになります。
『鉄鋼大手、特損(株式評価損)が物語る厳しい経営環境』
「新日本製鉄」 : 846億円
「JFEホールディング」 : 810億円
「住友金属工業」 : 798億円
これらの金額は、上記我が国の鉄鋼大手が2012年3月期、突如として計上に追われて
いる
『特損(投資有価証券評価損計上)』である。
上記の鉄鋼各社は、お互いがライバルで競争をしているようですが、世界の大手に対抗
していくために、親密な協力関係(アライアンス)にあります。具体的には、相互に株を持ち
合っています。
「企業が保有する(株式)については原則、時価が取得時より50%以上下落した際に、そ
の差額を(損金)として計上することが義務付けられています。」
○ 上記、「新日本製鉄」の例で言うと。(経常利益):1300億円あったが、保有する「住友
金属工業」などの株価下落で、その評価損額=(特損):846億円を計上。
この(特損)計上によって、(通年損益)は、”赤字”となる見通し。
◎ (新日本製鉄)は、
”世界的な鉄鋼業界における競争激化”に対応するために、
今年10月をめどに、(住友金属工業)との合併を予定している。
(記事参考:日本経済新聞:2012/01/21)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木