(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1360)
以前では、他の業者の顧客でも奪い合うように輸出入の「通関業務」の受注を競い合っ
ていた『通関業者』です。
通関業者に通関業務を依頼する輸出入者は、今までと違う
”変化”に気づいていると思い
ます。
通関業者が、(仕事・依頼先を選んでいます。)
具体的な表現をすると、『リスクの大きい仕事』=(ややこしい客先・ややこしい通関業務)
は通関業務を引き受けない。依頼を受けない。というものです。
通関業者によると、
(リスクのある仕事の依頼は受けるな!)と”徹底した社内指示がださ
れている”業者もあるようです。
その理由は、『AEO・認定通関業者』への(認定)に向けての認定基準を満たすための
リスク回避です。
① AEO認定マーク制度の発行
② 「輸出通関における保税搬入原則の見直し」に伴う、『特定(委託)輸出通関』の保税
地域不搬入通関可能への改正
③ AEO認定業者による手続きの『国家相互認証制度』の急拡充
と、WCO(世界税関機構)、国家を上げてのAEO制度推進の中、認定を受けることが、
ここにきて、通関業者の生き残りのための必須条件と思われる状況になっています。
2008年に、わずか全国で(5社)であった『認定通関業者」の数は、現状(2011年9月)
現在で、(41社)と急激に増加しています。来年には、さらに倍増するのではないでしょうか?
『認定通関業者』の(認定)を受けるためには、『コンプライアンス)=一定の法令基準体制
の確保”が条件となります。
しかし、『認定を受けるために、(リスクのある客先・業務は引き受けない)、(認定を受ける
まで、しばらくの間、”問題のない確実に安全な依頼だけを引き受ける”=間違っても、税関
から、指摘をうけるような恐れのあるような、ミスを発生させる可能性がある通関業務には手
を出すな。」
何か
”ボタンの掛け違え”を感じずにはいられません。 現状までの(コンプライアンス不備)
と通関業務の(資質不足)を公言していることに他なりませんよね。
(法を犯している可能性のある依頼業務)と(ややこしい依頼業務)は違います。
(ややこしい依頼業務)において、依頼者を適正に指導し、敏速に、法に従った適正な申告
を成し得る資質を持つと認められる通関業者を『認定通関業者』として承認する。
それが、「WCO・AEO制度」の趣旨ですよね。)
(具体的に法に触れる事実はない)が、現状において、(絶対に、ミスを発生させない)だけ
の業務処理体制も、資質もない。) だから、ミス発生の不安のある依頼は引き受けないで、
認定を受けるまで、(リスクの少ない安心な依頼業務しか引き受けない)
「認定通関業者」への(認定)どころか、反対に、通関業の(許可)、通関士の(確認)の「取り
消し」対象に近い現状にしか思えません。
(付け焼刃)の『認定通関業者』を、(国家相互認定制度)先の海外関係機関は認めるので
しょうか?
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木