(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1980)
(農産物の国際価格)が高騰し、世界の食卓を直撃し始めた。新興国の需要増大や
異常気象、農産物市場への投資資金流入が原因で、
国連食料農業機関(FAO)が
算出する主要食料価格指数は昨年12月に過去最高を更新した。
とりわけ高騰が目立つ振興・途上国では国民に不満が広がっており、食品価格の
高騰が続けば、途上国中心に暴動が広がった2008年の食糧危機のような事態
になりかねない。
中国・上海の主婦(55)は豆腐の値上がりを嘆く。「数ヶ月前は1パック1・6元(20円)
だったのが、今は2元。毎日食べるから家計に響くわ。」上海の出版社に勤める女性
(33)も「1キロ4元だったコメは1・5倍の6元。もうもとには戻らないでしょうね。」とこ
ぼす。
高成長を続ける中国では、インフレ圧力も強く昨年11月の
消費者物価指数の上昇
率は5・1%(前年同月比)と政府目標の3%を大きく上回った。
このうち食品価格は11・7%も上昇。国民の不満が募る中、温家宝首相は昨年末に
ラジオで「政府は2億トンの穀物を備蓄している」と呼びかけた。政府は野菜運搬トラッ
クの高速道路料金を免除するなど物価抑制に躍起だ。
穀物や乳製品などの国際価格を指数化した主要食品価格指数(02~04年平均を
=100とする)は昨年12月に214・7ポイントと半年間で32%も上昇。過去最高を
更新した。 小麦、大豆などの穀物は2008年につけた市場最高値に迫り、約30年
ぶりの高値となった砂糖指数全体を押し上げた。指数には組み込まれていないが、
コーヒーも歴史的な高値にある。
価格高騰の要因の一つに、
(新興国の食料需要の大幅増大)がある。
(砂糖)は振興・途上国で菓子向けなどの需要が増加。砂糖消費量は中国とインドで
5年前と比べると30%、ブラジルでも15%増えた。
また、
世界的な異常気象も影響。ロシアは昨年8月、干ばつで不作の小麦
の輸出を停止した。年末には洪水でオーストラリアの小麦生産が打撃を受けた。
米国農務省は2011年度末の世界の穀物在庫を前年度比12%減の4億3116万
トンと予測している。
業界専門家は、「今はあらゆる農産物が値上がりする(農産物インフレ)の状況。
元に戻るのは難しく、”食糧危機への備え”が必要だ。」と指摘する。
(記事:毎日jp 2011/01/18)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木