(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1443)
五輪やワールドカップなどのイベントを控え、成長著しい新興国の雄として注目されて
いる南米のブラジル。そんな中、ブラジルの企業が次々と近隣諸国への進出を拡大
させている。
たとえば、貧困地帯として知られるアルゼンチン北部のチャコ州には2年前、ブラジル
のデニムメーカーの「サンタナ」が製造工場を建設している。
ブラジル国内に4つの工場を持つ「サンタナ」のアルゼンチン進出は、”世界進出への
足がかり”にしようとしているのだ。同社の工場長は、「私達の目標は10年以内に米国
のジーンズ市場でトップになることだ。」と意気込みを見せている。
海外市場を視野に入れているのはサンタナだけではない。近年、ブラジルでは若手の
企業家を中心に、米国や欧州、アフリカに進出する動きがある。
対外投資も伸びている。2000年代の初めは7億ドル(約570億円)だったブラジルの
対外投資が、2004年8月には140億ドルにまで急伸。今年度、その額は200億ドル
に到達する見込みだ。(10年間で30倍)
ブラジルの対外投資総額は米国には遠く及ばないものの。インドや韓国のそれを越え
ようとしている。
ベネズエラやチリ、アルゼンチンなど、一部のラテンアメリカ諸国に対する投資額は
米国と肩を並べるほどに成長。アフリカのアンゴラでは、すでに最大投資国としての
地位を確立している。
そんなブラジル企業が特に近隣諸国へ積極的に進出している理由は、安価なコストと
地理上の利便性がある。
今後は米国だけでなく、アジアの新興国も南米に進出するかも知れない。それでも、
今後さらなる市場の拡大が見込まれる南米で”先行して拠点作りを進めている”こと
はブラジルにとって大きなメリットになろう。
(記事:ワシントン・ポスト World Bid News 2010/12/19)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木