(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1415)
各国経済発展・過程を表現した経済用語として
「ぺティー・クラークの法則」があります。
これは、それぞれの国が経済発展を遂げて行く過程は、(第一次産業)→(第二次産業)
→(第三次産業)への推移をたどるとする分析です。
近代産業に特化したとしても、(軽工業)→(重工業)→(サービス業)→(先端技術産業)
との変遷を追うのが産業変遷の一般的過程です。
しかし、欧・米や日本がたどって来た、この
「ぺティー・クラークの法則」は”BRIC's”の両雄
である
(中国)と(インド)には通用しません。
この両国の経済発展は、
”20世紀までの経済形態とはまったく違う”形での経済発展を
成し遂げようとしています。
○ (インド)の場合、古くからある”綿産業”などの軽工業を除けば、”重工業”より先に
”先端技術”が発達した。 その産業変遷のユニークさがインドの特徴です。
今日のインドの内需拡大をもたらしたのは、(IT産業=コンピューターのソフト開発産業)
とそのIT分野と融合した医薬・医療産業です。
欧・米・日と比較するならば、100年間を要して変遷してきた(軽工業)→(重工業)→
(先端技術工業)の過程の中間を吹っ飛ばして、(綿工業)→(IT産業)・(医療産業)へと、
一気に躍り出てきた特異性を持つ国がインドなのです。
○ (中国)、”世界の工場”→”世界最大の市場”と言う言葉でその評価が変わってきて
います。
パソコン、テレビ、電話機、カメラ、絹織物・・・いずれも世界シェアで中国が1位になって
いる商品です。
しかし・・上海科学学院の調べによると「中国の輸出物のうち、70~80%は外資系企業
のメーカーの名のもとに売られている。つまり、中国の膨大な輸出物は必ずしも中国の
真の経済力と一致しているわけではなく、合併した外資系企業によってもたらされている」
のが実態。
欧・米・日の各企業が世界への輸出を拡大してきた過程と違い、”世界最大の輸出量・額”
を誇る中国独自のブランドとして知られているのは、IBMのPC部門を譲り受けたパソコン
の”レノボ”や家電の”ハイアール”などのごく一部でしかない。
”世界企業が数社しか育っていない国の輸出量が世界一・・・ここに中国の特異さがあり
ます。
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「20世紀の経済の考え方とは違う」
その意識なくして、日本が、”バックス・アシアーナ”の中心となり続けることは難しいの
かもわかりません。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木