(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1179)
これまで何度か、アップしてきた内容ですが、現状の「関税法」の学習は困難を極めます。
今年の受験者である皆さんを前にして、決して僕自身が高慢な態度で接することが許される
ものでもなく、正直、僕自身は現状の皆さんに同情し、感心しています。
僕自身も皆さんと同様にかって、受験勉強をして合格した(通関士有資格者)であることには
違いありません。
しかし、当時は
”原則としての関税法規定”しか勉強する範囲は無かったのです。
むろん、試験問題の内容が「記述式」という現状試験との違いはありましたが、(通関)とは?
(関税)とは? の我が国の「関税行政・通関行政」の”原則法令”の学習にとどまっていたの
です。
それに比べ、現状の受験者である皆さんの学習範囲は、その後の貿易環境の変化に伴い、
次々と”新しい内容が、「原則」の上に積みあがっています。
「法令改正」という名ではありますが、現状の関税法は、従来の法令を抜本的に改正してき
たものではありません。
僕が受験した頃と現状において「関税法の原則」はまったく同一で温存されています。
その上に次々と新しい内容が積み上げられてきています。
ここ数年の「日本版AEO」制度である(特定輸出)、(特例輸入)、(認定通関業者)などの
新しい制度は、関税法の原則である(保税地域搬入の原則)、(申告先税関の原則)や
(輸入「納税」申告の原則)の原則規定とまるで反対の内容を認める制度であり、通関全体
でみれば、既存の(原則論)が大きく”崩れて”きています。
◎ この(原則規定)と(特定・特例)を通しで理解していくことは困難を極めます。
結果的に、皆さんは、(結局・・輸出入申告とはどういう手続きが必要なのか~?)
その実態がつかめないままに、本試験に望まなけねばならない危険性が高いのです。
☆ 現状の「通関士受験対策」として大切なことは、”まず、(原則)を把握すること”です。
(条文)や(テキスト)で順番に記載してある内容の(特例規定)を全て飛ばして原則論を理解
した上で、改めて(特例規定)を学習するという”二段階学習”を薦めます。
(特定輸出申告)や(特例輸入申告)が規定されたからといって、『関税法の原則手続き』が
簡略化されたとか、無くなったのではありません。
あくまでも、一定の条件下における(特別・特例扱いの手続き)であることを忘れないでくださ
い。
そうしないと、
出題問題に対する皆さんの(判断基準)を大きく揺るがす危険性が大です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木