(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (5627)
『HS2022改正の概要ー➉』
~(前号=No.2625)の継続アップ~
6.HS改正における関税率の考え方
HS品目表の改正に応じて、関税率表の項や号の記載を改正するとともに、これらの品目の新設や統廃合に伴って、税率の調整が必要となるものがある。
①「号」が新設された場合の調整
6桁レベルの「号」の新設等に際しては、本改正がHS品目表の改正に応じた技術的なものであるという位置付けに鑑み、原則としては現行の関税率表の構造又は区分を維持することとなる。
例えば、HS2022改正では、高さが調節のできる木製の回転腰掛け(第9401.31号)が新設されたが、この移行元となった物品(第9401.30号)の国内細分に基づき、革張りのものとその他のものに分けて税率を維持する必要がある。
そこで、これら2つの税率を新たに設けられた号でも保持するよう、HS6桁以下の部分に国内細分を設けるといった調整がなされることとなる。
②「号」が統廃合された場合の調整
例えば、6桁レベルの「号」において、2つのものが1つに統合される際、統合前の号においてそれぞれ異なる税率が設定されていて、これらの税率を保持する必要があるような場合には、新たに統合された号の下に、必要な国内細分を設けて、それらの異なる税率がそれぞれの物品で適切に受け渡され、保持されるような調整がなされることになる。
しかし、現行の区分や税率を維持すると、関税率表が複雑化してしまうので、国内産業保持の観点から問題がないと認められるような場合には、それらの異なる税率の中で最も低い実行関税率を新税率として用いることとなったが、現行の関税率表では整形外科機器及び骨折治療具は基本税率、協定税率とも無税である一方、統合される他の品目には有税のものが多数含まれ、税率もそれぞれ異なっている。
統合の結果、新税率は、それらの中で最も低い税率で統一することとし、この号に分類するものは全て無税適用することとなった。
~以下、(次号):「WTO税率の取扱い」、「EPA税率の取扱い」に継続アップ~
(記事出典:財務省関税局・業務化 関税分類調査官 山口隆久 氏 2022/01)
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