『改正食品衛生法:食品用器具・容器包装にポジティブリスト』
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『改正食品衛生法:食品用器具・容器包装にポジティブリスト制度を導入』
食品用器具・容器包装の安全性は、これまで食品衛生法もと告示310号で規制が始まり、ネガティブリスト(使用できない原材料)制度方式で規制が行われてきました。
国際的にみるとネガティブリストを採用しているのは一部の国のみであり、日本もポジティブリスト(使用できる原材料の一覧表)制度の導入が検討され、今年6月1日施行の改正に盛り込まれました。
新制度によって、安全性が定かでない物質が使用されても違反とならない状況から、安全性が確認されたものだけが使ってもよい状況となり、消費者にとっては安全のレベルが一段と向上したことになります。
消費者からみると、ポジティブリストといえば食品添加物や農薬のように食品ごとに規格基準が定められ、規格に適合しているかどうかはその食品を分析すれば解かると思われがちです。
しかし、食品用具・容器包装のポジティブリストは複雑で、リストに適合しているかどうかは原材料メーカーから容器包装製造事業者までの情報伝達によって適合性が判断されます。
制度の対象は合成樹脂で、樹脂と添加物に分けて2019年6月にリスト案が示され、その後も様々な意見が出されました。2020年4月23日にようやくポジティブリスト(告示と通知「5月1日」)が出され、「Q&A」も5月29日になるなどと、7つの改正ポイントの中で制度設計に最も難航したものです。
また、2019年12月には「事業者間での確認や調整が間に合わず、施工後に既存物質の追加修正の手続きを行うための期間が必要である」等のパブコメ等の意見を受けて、「ポジティブリスト」の規格が未整備の物質についても、施工後に既に流通している製品と同じ場合は経過措置期間を設けることが決まりました。
このように6月1日に施行はしたものの、5年間の経過措置期間が設けられて、施行日より前に製造時に実績のある流通している物質は、当面は使用されていた範囲で使えることとなりました。一方、これまで流通している製品と異なるものは新制度が適用され、リストに適合していることがきちんと判断されなければならず、ハードルが高くなります。
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海外から、これらの食品用具・容器包装を輸入する場合の”対象者は輸入者"となり、上記の「改正後の新規対象物」として、改正後のポジティブリストでの適合証明が求められます。
とりわけ、輸入手続きの依頼を受ける通関士は、充分な最新情報認識、及び輸入者との綿密な情報相互確認が必要となります。今後、「貨物(食品用具・容器包装)が海外から我が国には届いたが、「他法令の証明・確認」が取れなくて、税関の輸入許可がおりない」というケースが多々、発生する懸念が考えられます。
(記事参考:FOO COM.NET(Food communication Compass 2020/05/01)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木