(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1345)
昨年10月の(ギリシャ)を発端とする「欧米での金融不安」が再燃する中、安全資産
としての
「金」の存在感が高まっている。
先月末の株式市場では(三菱マテリアル)や(住友金属鉱山)など非鉄金属業界の株価
が軒並みに上昇した。 三菱マテリアルは1月27日に前日比26円高(12.5%増)の
234円まで上昇。住友金属鉱山は同93円高(11.2%増)の922円まで買われた。
不景気の中、投資家が積極的に投資に走ったのは(安全資産)として「金」の存在感が
高まっているため。 「金」は以前から
「有事の金」として資産の一部を緊急避難させたり、
資産全体の目減りを防ぐといった
「守りの資産」として世界中の資産家や投資家から
重宝されてきた。
欧州ではイギリスの(王立スコットランド銀行=RBS)が過去最大の赤字に陥っており、
2008年度決算で280億ポンド(約3.4兆円)の損失になる見通しを発表するなど金融
システムの不安が再び広がっている。
金融市場では「英国の金融システムが破綻するのでは?」などの憶測が広がり、1月
20日には
対円で最安値を更新するなど(ポンド売り)が進んでいる。
また、ギリシャ、スペイン、ポルトガルなど(PIIGS)も同様な状態で、欧米を中心に金融
不安がぶり返していることから
安全資産として信用リスクの少ない「金」を買う動きが
広がっているようだ。
先月26日のニューヨーク商品取引所(COMEX)でも
金先物相場が上昇。
中心限月の2月物は2008年10月10日以来の高値をつける場面もあった。
また、同日のロンドン金属取引所(LME)でも、3ヶ月先物相場が大幅続伸し、昨年12月
以来2ヶ月振りの高水準をつけている。 これらが三菱マテリアルや住友金属鉱山など
非鉄金属業界の業績が上向くとしてプラス材料になると投資家に受け取られ株式の買
いが膨らんだ。
『金の国際価格』は過去数年間にわたって右肩上がりの上昇を続けてきた。
中国やインドなどの新興国、中東の産油国で金の購買意欲が強く、投資の他にも
装飾品用として需要が拡大してきたことも金価格の上昇材料となった。
しかし、過熱気味だったことから2008年10月下旬にいったん600ドル後半まで下落し、
その後にまた反転、2009年にはいってからは800ドル台でもみあう展開が続いていた。
金融危機の影響で、(米ドル)や(英ポンド)、(ユーロ)の避難先として脚光をあびている
金。
「実物資産」でありながら「代替通貨」としての性質を併せ持つ『金』の人気は(金融不安)
が解消されない限り、しばらく続きそうだ・・・。
(記事 : 「MONEYーZINE」より~)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木