『損保ジャパン、タイで(天候保険)、温暖化被害対策で注目』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1383)
気候変動による被害を受けやすい途上国支援のため、タイ東北部の農民に雨が降
らず干ばつが発生したときに、損害を査定せずに発動できる
「天候保険」を、損保ジ
ャパングループが来月(2月)からスタートさせることがわかった。
先進国の農業法人などを相手にした天候保険はあるが、「途上国」でかつ「戸別農家」
を対象とした点が画期的で、国際的にも注目を集めている。
ドイツ保険会社のミュンヘン再保険の試算によれば、2040年には毎年1兆ドル
(約91兆円)の異常気象被害が予測されている。 そのために温暖化に脆弱な途上
国への支援は昨年12月にデンマークで開催された「気候変動枠組み条約第15回
国際会議
(COP15)でも議題になるなど、国際的な課題になっている。
今回の保険は、稲作やサトウキビ農業が盛んだが水資源に乏しく、雨水に頼らざる
を得ない状況下にあるタイ東北部で売り出される。
現地では、大半の農家が小口のローンを組んで(種モミ)を購入。秋の収穫で現金
を得て返済するという自転車操業のため、干ばつなどの天候不順があるとたちまち、
働き手が都市に出稼ぎに行かなければならなくなるほど問題が深刻化している。
(天候保険)は気温や降水量、積雪などの天候データをもとに、気温などの指標が
一定の条件を満たした場合、損害の査定なしで敏速に保険金を受け取れる仕組み。
例えば、スキー場経営企業が積雪量が少ない場合、損害の査定無しで敏速に保険
金を受け取れる。
先進国では盛んだが、途上国では気象データの集積が不充分であることや、保険
の概念自体が浸透していないことなどがハードルとなって進んでいなかった。
今回の保険は、7~9月の雨季の累積降水量が一定基準を下回った場合、自動的
に干ばつに備えた保険金を受け取れる。
タイ東北部の農家の平均年収は4万円程度。5千~1千円の保険料で、条件を満た
せば、4万円~1万5千円の保険金を受け取れる。
タイ東北部で実施するのは、同地域の降水量のデータが他の地域に比べて揃って
いたため。タイの政府系金融機関が農家への説明などを協力してくれることになり、
販売コストの抑制も見込めた。 今後、たの地域や途上国でも販売を検討する。
国連の気候変動枠組み条約事務局(COP)は、
「異常気象被害は公的資金だけでは対応
できないため、リスク回避の仕組みづくりが重要。タイでの取組みが広がることを
期待する。」と話す。
(記事:1/22日 産経新聞)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木