(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1292)
ついに、1ドル=84円台に突入し、大揺れの日本経済。
(パナソニック)や(日産自動車)などの首脳からは経営を直撃する円高に悲鳴が上がる
一方、円高で安く商品を輸入できる流通業界からは早くも「円高還元セール」の告知も舞
い込んできた。
専門家の中には、「1ドル=80円突破!」を予測する向きも多く、『
円高狂想曲』はしばらく
おさまりそうもない、、、。
11/27日は、(ドバイ首長国)の政府系持ち株会社の資金繰り不安という新たな問題が
浮上し、(ドルを売って、円を買う)という動きが加速。 シドニー外為市場では朝方に一
時、
(1ドル=84円82銭)を付けた。 東京市場は86円台で推移している。
急激な(円高)の背景には2つの要因が絡み合っている。
一つは(米国経済の回復)が思ったはど進まず、超低金利がしばらく続くとみられている
ことである。 低金利で(ドル資金)を調達しマーケットで売却、他国通貨に換えて投資
する=
『ドル・キャリー取引』が活発化している。 シーソーのように(ドル売り)
が必然的に(円高)に繋がっている。
もう一つが、日本政府による(円高静観の姿勢)だ。 「円高が進行しても日本政府はす
ぐには、為替介入はしない」と金融市場は判断。 安心してドルを売る=(円が買われる)
環境を作ってしまった。
大手金融・証券会社の専門家は、「政府が介入しなければ、80円割れも有りえる。」と
みる。
1995年4月19日に記録した市場最高値(1ドル=79円75銭)を超える可能性もある。
(急激な円高)は、輸出関連企業を直撃
(トヨタ自動車)の場合、対ドルで1円円高が進むと300億円の営業利益を失う。
同社は、年平均(1ドル=93円)でみており、年間の平均為替レートが86円となった場合、
営業損益ベースで年間2000億円超えの(為替損失)となる。
(ホンダ)は120億円、(日産)は110億円減益要因となる。
一方、海外から製品を輸入・販売している企業にとっては、(円高はメリット)になる。
(イトーヨウカ同)、(イオン)、ホームセンター(ニトリ)など円高景気を見込んだ投資家から
の人気で、株価を軒並み200円以上の高値取引となっている。
☆ (円高)は、消費者にとっては助かる感じもするが、トータルでみれば日本経済には大き
なマイナスとなる。
(円高)で、輸入品が安くなれば、
「デフレーション」が進行、結果的には安くないと物が
売れなくなり、企業全体の収益を圧迫し、連鎖的に景気悪化に陥る
『デフレ・スパイラル』
を呼ぶ・・・。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木