(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (1289)
(鉄鋼)が、依然として我国の「輸出基幹産業」であることに変りはありません、、。
(日本の造船業)は戦後、高い技術力を武器に激しい国際競争の中でシェアを伸ばし、
世界第1位となったが、2000年からの激しい(韓国)との首位争いの後に、2006年
に韓国に首位の座を明け渡し、今や2倍以上の差が開いている。
しかし、欧米列国と争って(造船王国=日本)を築き上げた過程には、造船の
施工法の
革新ばかりでなく、
(素材=鉄)そのものの大きな躍進があったのです。
(造船業界)から(鉄鋼業界)へのフィードバックによって多様で高品質の(造船用鋼板)を
日本は作り上げてきたのです。
トラックと違い、現代の乗用車が(モノコック・ボディ)と呼ばれるプレス加工の鉄板だけで
製造されるように、現在の(大型船舶)は、
(溶接)によって、巨大な船体を建造します。
つまり、(造船用鋼板)には、まず(溶接しやすい鉄鋼)という絶対条件が必要であり、溶接
の熱による鉄鋼の品質劣化に絶える鉄鋼でなけねばなりません。
(※) 「サルファ・クラック」 鉄鋼に(硫黄分)が含まれていると、溶接によって(割れ)が
発生してしまいます。
過去の10万トン級から、現在は50万トンという(超大型タンカー)なども建造されています。
(軽量化のための高度強化)・(亀裂=クラック停止特性=割れにくい、割れが伝わりにくい)
(耐溶接割れ性=予熱不要鉄鋼)、(耐金属疲労性)、(耐腐食性)、
つまり、ビルを作る建築用鉄骨、あるいは、土木用などの厚鋼板と
『造船用鋼板』では、
(全く別の鉄)なのです。
「ハイテン鋼=抗張力鋼」と呼ばれる(強い鉄)に、(溶接による造船)の両面を解決するため
に我国の(造船業界)と(鉄鋼業界)のスクラムによって作り出してきた『造船用厚鋼板』
それが、(
TMCP鋼=Thermo Mecanical Control Process )と呼ばれる
(造船用 ”日本の鉄”)で、韓国や中国も含め、現在の造船において80%は(TMCP鋼)
なのです。
その(TMCP鋼)さえもが、海外メーカーとの業務提携によって
(技術供与)によって、
(海外生産)のスタートとなっています。
単純に、、(海外生産)とか(産業の海外移転)と言いますけど、「グローバル化」ということは、
現状までの(輸出入の概念を根底から覆す)ほどの”凄まじい変化”が訪れているのです・・。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木