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『資生堂、ニュージランド工場を閉鎖へ・アジアに生産シフト』
(資生堂)が、30年にわたりオセアニア地域向けのスキンケア商品を製造してきた
ニュージランド工場を、今年6月に閉鎖することが先月末に明らかになった。
市場が成熟化した先進国での生産拠点を合理化し、中国やASEAN(東南アジア諸国
連合)といった成長市場に投資を集約させる戦略の一環。
国内最大手のアジアシフトは、『選択と集中』を加速させる他の国内化粧品メーカーの
投資計画にも影響を与えそうだ。
資生堂ニュージランド工場(オークランド市)は1977年の操業開始で、オーストラリアを
含むオセアニア市場向けにスキンケアを主軸とする「モイスチャーミスト」ブランドなどを
製造し現地での評価を得てきた。
現地生産の背景には、1990年代には(20%近い高関税率)や(厳しい表示規制)など、
オセアニア独自の事情があった。
しかし、近年は、関税率低下(2007年で7%)をはじめとした現地政府の規制緩和に伴い、
他国の生産拠点からの輸入が可能な環境が整ってきたと判断。 6月に現地法人の製造
部門を閉鎖することを決めた。
ただ、先進国であるオーストラリアやニュージランド地域の消費者の購買力は高く、
ブランドも浸透しているため、販売拠点としての現地法人は存続される。
今後は、同地域の供給は日本、フランス、アメリカの工場から輸出する。
(資生堂)は近年、投資を集中すべく経営の効率化を図る『選択と集中』を促進、日本国内で
は2006年に(舞鶴)と(板橋)の両工場を閉鎖している。
一方、海外の売上比率は総売上高の40%近くまでに高まり、特にアジア、オセアニア地域
は海外売上の4割を占める重要地域。 中でも北京オリンピックを機に経済が活況を呈して
いる中国やASEAN地域は個人所得の向上で女性の化粧品使用量が高まっている。
このため、昨年9月には上海工場を拡張工事し、生産体制を増強した。 今年の4月には、
ベトナムに日本の化粧品メーカーでは東南アジア初となる生産子会社を設立し、現地向け
出荷に合わせ、地域の輸出拠点にする計画だ。
(ソース:3月30日 産経新聞)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木