(貿易ともだち)さん、みんな(頑張るチャン!)してるかな? (653)
外国為替相場や各国の株価に大きな影響を与えており、(株価転落)、(急進する円高)で、
「来年の貿易=輸出入の方向は・・?」という大きな世界的な問題です。
では、
『サブ・プライムローン』とは、いったい何なのでしょうか~?
まず、「ローン」とは、お金を貸し付けること。 「プライム」というのは、(優良)の意味。
「サブ」は、(それより下)の意味。
つまり、『サブ・プライムローン』とは、=優良より下、収入が少ない人向けのアメリカの住宅
ローンのことです。
『サブ・プライムローン』の特徴は、所得や信用力の低い人でも借りられる点です。最初の
一定期間は月々の返済額が低く押さえられていて割安感が強い。だが、その後は金利が
上昇し返済額も膨らんでいく仕組みで、年利20~30%もの高金利です。
※ 『サブ・プライムローン』を利用した人は全米で600万人、貸出し金額は150兆円を
超えています。
アメリカのローン会社は、高金利でどんどん儲かりました。 でも、貸した相手は低収入で
社会的な信用力の低い人達ですから、返せない人達の発生はやはり不安です。
そこで、貸した金を返してもらえるという権利=
【債権】を『証券化』して転売した
のです。
誰が買うかといえば、世界の銀行や、ファンドと呼ばれる会社です。
アメリカの好景気、住宅価格の上昇機運の中で、(高い利息)を狙って、世界中の金融企業
が争って、この【サブ・プライムローン債権】を購入したのです。
しかし、アメリカの住宅価格jが上がり過ぎて、あるいはガソリン価格上昇等の物価上昇で
家を買う人が居なくなり始めました。
アメリカでの(住宅価格が急激に下がり始めた)のです。
するとどうなるか? サブ・プライムを利用していた人達は、ローンを返せなくなって、家を
売ろうにも売れません=借金を返せないのです。ローンが焦げ付いたのです。
ローンを利用する人も減って、ローン会社は儲からなくなります。 さらにファンドや銀行が
購入していた
【債券】は紙くず同然=お金が入らなくなり、次々と損をします。
さらに、ファンドにお金の運用をまかせていた人達が心配になって、預けている自分の金を
返せとの声が高まりました。そこでファンドは自社の保有株を売って、預かり金の返済に充て
るため、大量の株が市場に売却に出されました。
こうして、先月来、日本も含めて世界中の株の値段が一斉に下がりました。
問題は、この【サブ・プライムローン】を他と組み合わせた(証券化)しているので、焦げ付い
たローンが世界中の各金融機関のどの証券商品に紛れ込んでいるのかわからなくなり、
実損額の算定が困難で、更なる不安をあおっているのです。
☆ それにしても、(家の借金が返せない。)という遠いアメリカで起きた出来事が、世界中の
株の値段を下げ(、円高)を(ユーロ高)をもたらし、来年の貿易の行方を左右しようと
しています。
つまり、国境を越えて、お金で繋がっているということでしょうね。
(ソース:毎日新聞・毎日JP)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木