(貿易ともだち)さん、みんな(頑張るチャン!)してるかな? (401)
世界の税関の「通関」で使用される(HS品目分類)を定めるWCO(世界税関機構)
※ 正式名称は「関税協力理事会」:CCC=Customs Co-operation Council
の主要任務の一つである『国際的な監視・取締りの協力』のために、各国・地域の税関が
国際貢献できるように関税分類を設けるのが最近の特徴となっています。
この場合は、(貨物の貿易量の多少)に関係無く、関税分類を設けることで商品の国際移動
の監視・統計がしやすくなる。
【環境に優しい物質の国際間移動】
(2007年のHS品目分類の改定)は、「環境汚染や健康被害となりかねない物資の監視」
を前回にも増して強化しているのですが、その反対に「環境に優しい物質」が新設されて
いるのが大きな特徴です。
その例に、環境配慮物質の「ポリ乳酸」がある。
「ポリ乳酸」は、トウモロコシ、サツマイモ、サトウキビ等の植物のでん粉を原料とし、石油
から合成する化学樹脂(プラスチック)に比べると、石油・石炭などの化石エネルギー使用
量を抑制する効果がある。
ポリ乳酸を燃やす時に排出されるCO2(二酸化炭素)量は、原料である植物が光合成で
取り込んだ大気中のCO2と同量なので、(地球温暖化)の原因であるCO2を増やすことの
ない素材である。また、廃棄したポリ乳酸=(バイオ・プラスティック)は堆肥の中だと分解
されて地球環境に優しい物質である。
こうした優れた特性を持つので、手術用の糸、釣り糸、農業用ハウスのシートなどに使われ
需要が拡大している。
☆ (地球環境意識の高まり)は、先進国・途上国ともに共通している。環境に関する国際的
な取り組みは、環境保護に対する予防的な処置やアプローチに重点が置かれている。
今回の(HS分類改定)は、そうした動きを反映し、前回より一層環境保護の要請に応え、
国際間の移動を監視・統計化する役割を担っている。
実際の地球規模での貿易量がわかるのは、HS分類に準拠した
(貿易統計)に
計上される2007年上期の
貿易額(数量)が公表される今年の終わりとなる。
貿易量の拡大が期待される(ポリ乳酸=バイオ・プラスチック)がどのような規模であるのか
把握できるのが興味深い、、、。
「参考」:(財)国際貿易投資研究所 (ITI・フラッシュ88)