(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4331)
今後さらに世界の人口が増加するため、食料の安定供給が地球全体としての切実な課題となる。一方、我が国では総人口の減少が続き、国全体のGDP(国内総生産)も減少していく恐れがある。その時の我が国の経済力によっては、これまでのような食料の輸入が困難な場面もあろう。最近ではこれまでの反省も込め、食品廃棄物(食品ロス)を減らす動きが官民で活発になっている。
平成24年度の推計では、我が国の食品仕向け料((粗食料+加工用)は8,464万トンで、可食と考えられる廃棄物が事業系(規格外品、返品、売れ残り、食べ残し)で331万トン、仮定系(食べ残し、過剰除去、直接廃棄)で312万トンあったという。このように、いわゆる食品ロスは642万トンと推定されている。
平成26年産水陸稲の収穫量(主食用)が788万トンであるので、その多さがわかる。これは、約400万トンとされる世界の食料援助の1.5倍以上に相当している。我が国のカロリーベースでの食料自給率が39%であることを考えると、大変もったいないことである。
この食品ロスは世界的にも課題となっている。国連SDSにおいても目標12において「Ensure sustainable consumption and production patterns (持続可能な生産消費形態を確保する)の中で、2030年までに世界全体で1人当たりの食品廃棄を半滅させることが掲げられている。欧州連合の執行機関であるEU委員会も2025年までに書府品廃棄物を30%削減する目標を打ち出している。
2015年9月27日の国連本部で驚くべきパフォーマンスが行われた。この日は2同年11月30日からパリで開催される「国連気候変動枠組条約(UNFCCC)第21回締約国会議(COP21)に向けて会合を行っていたが、昼食担当の料理人達は、現代の食生活における多大な無駄が世界的な気候変動に影響を与えていることを再確認してもらうため、食べられるが普通は廃棄処分される食材料(野菜類n絞りかす等)のみを使った料理を昼食会合に提供したという。
京都議定書(2012年に終了し、現在は空白期間)に続く新しい枠組み作りは、6年前のCOP15(コペンハーゲン会合)で交渉が決裂しており、今回のCOP21で2020年以降の気候温暖化対策の枠組みが話し合われた。
SDGsの目標13に「気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策」が掲げられているが、この目標に数値目標はなく、強制力もない。
2015年12月12日、COP21は「パリ協定」を採択した。すべての国が温室効果ガス削減に取り組むという画期的な内容である。各国に自主目標の提出などを義務付けたが、目標の達成は義務化されていない。
(記事抜粋:SUNATEC 一般財団法人 食品分析開発センター
国立医薬品衛生研究所・名誉所員 米谷民雄 氏)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木