(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4163)
他にも多くの「税表分類・関税率の見直し」がある中で、とりたてて『玩具』をクローズアップする理由もないのですが、玩具は、過去の通関士試験にも何度が取上げられてきた品目であり、なにより、戦後の1950~1960年代において、”我が国の重要輸出産業”であったことは、『ブリキのオモチャ・”お宝、発見!”』として、このブログでも過去に紹介してきました。
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今回の「第9503.00号の玩具統合・基本税率の無税化」は、貿易を取り巻く環境変化と関税の役割を理解する上で、恰好の材料の一つであることには違いありません。
【本年度改正において(玩具)を要望した理由】
日本企業の玩具生産は、以前は中国が主であったが、人件費の高騰等の要因により、東南アジア等に生産拠点が移ってきている。一昨年10月のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)大筋合意や、同年12月のASEAN経済共同体の創設を受け、投資の自由化、競争政策の強化・改善等により、さらに海外展開が進んでいくと想定される。
しかしながら、現在、特恵税率やEPA税率の適用を受けるためには、原産国によりそれぞれ異なる原産地証明書を取得する必要があるため、生産拠点の多角化に伴い、今後、取得に係る事務負担やコストの増大が懸念される。
このため、こうした懸念が顕在化する前に、本改正を実施しておくことで、貿易の円滑化の観点から、日本企業に対し一層の支援を図るものである。
【政策評価の結果】
財務省の平成28年度政策評価実施計画において、
「生産者・消費者・利用者等の現状、政策評価の結果等を踏まえた適切な関税改正の実施」(5-1-1)、
「税関分野における貿易円滑化の推進」(5-2-2)をかかげており、本改正要望はこれらの主旨に沿うものである。
【見込まれる具体的効果】
平成27年度における関税率表第95.03項の物品の輸入額は約2,360億円である。このうち実行関税率が有税の税細分の輸入額は約1,420億円(特恵税率又はEPA税率の適用対象国(中国及びTPP参加国を含む。)からの輸入額は約1,380億円)であり、本改正により、これらについて、原産性の証明を要せず、関税無税で輸入できることとなり、貿易円滑化が図れる。
(記事:財務省関税局業務課/経済産業省製造産業局生活製品化)
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