『ブランド戦略・(社名戦略) 「COACH」が社名変更?』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4367)
『あの「COACH」が社名変更?』
あの「COACH」が社名を「Tapestry」に変えるという。少し前には能率手帳が「Nolty」になった。
あれだけ定着していた社名やブランド名を。全く新しくするというのは、「名前」というものの性格を変えた場合、それは”別物になるという決意表明”だ。「もう、古い名前では縛られない、私は別の道を行きます」と言っているようなものだし、従来のイメージを否定したいということである。
例えば、世界の「ソニー」だって、元は東京通信工業(株)という名前だった。それを、かつて販売していた録音用の磁気テープ「Sonu-Tape」にも使われていた「Soni」つまり、ラテン語の「音」を意味する言葉と、坊やを意味する「Sonny」を合わせて作った「SONY」つまり、「音の子」という社名にすることで、録音機器やラジオなどの音響機器を世界に売るメーカーというアイデンティティを表明している。世界に向けて「音響メーカー」であることを表明する必要があっての改名だ。世界を相手にするのに東通工では、多分、何もわかってもらえない。
福武書店が「ベネッセ」になったのも、教育産業のメーカーとしてのイメージが「書店」という言葉にマイナス方向に引っ張られていることを感じての改名なのだと思う。
■「改名」することで呪いを解く?
それは苦し紛れの改名だってあると思うけれど、それも含めて「改名」するには、それだけの必然性があるのだと思う。名前は呪いなのだから、長く使われてイメージも固まっていれば、それだけ大きな力を持ってしまっている。それを捨てるというのは、その力が邪魔になったということ。
もっとも、知名度というのは一朝一夕で得られるものではないことは分かった上で変えることができるのは、その変更を周知できるだけの知名度があるかと考えれば、ソニーやベネッセと。タペストリーやのルティでは微妙に事情は違うかも知れない。ずっと使ってきた商標を社名にしたパナソニック←(松下電器産業(株))も、名前を変えるという事にそれほどのパワーは要らなかったかもとは思う。単に社名が持つ意味が変わってきたからということもあるだろう。
「能率手帳」が「ノルティ」になる時に聞いたのだけど、ブランド名変更に際して、反対したのは若い人たちが多く、賛成はベテラン社員が多かったという。それもまた、いろんな事が考えられて面白い。個人的には、名前は呪いであると思っているけれど、それと言霊信仰をゴッチャにして、オカルトで社名を決めてる会社はピンチだよなあ、とは思う。
でも、真面目に、かつて自分たちにかけられた呪いを解いて、新しい言葉で世間に認識してもらいたいという判断なら、それは正解なのだ。
(記事:citrus 2017/12/01 Rakuten infoseek News)
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