(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4352)
前号では、海外の「タックス・ヘイブン=(租税回避地)」の話題を取上げました。
貿易・通関とは、直接に関係もないとも思えますが、「タンス預金」の話題を加えます。
『全国で117億円、「捨てられる現金」が増えている謎』
ー背景にあるのは、「タンス預金=43兆円」?-
東京都内で落とし物として警察に届けられた現金は2010年から年々増加。警視庁によると、2016年度は前年度より7.3%増え、過去最高の約36億7000万円となりました。警察庁によれば、昨年度に落とし物として届けられた現金は全国で約177億円にも上がります。
「ゴミ山の中から相次いで見つかる現金」
・11月10日、東京の廃棄物処理施設で家庭ゴミの名から現金1,200万円が見つかる。
・11月11日、富山市の廃棄物処理施設でも、カバンに入った現金1,000万円が見つかる。
「増え続ける”タンス預金”が一因?」
第一生命経済研究所の調査では、国内のタンス預金の総額は約43兆円と試算されています。
金融不安によって1990年代後半から積み上がったタンス預金は、その後も増え続け、ここ2~3年は特に増加ペースが上がっているといいます。
2016年の家計調査によると、年齢が高くなるにつれて貯蓄高が増える傾向にあります。
潤沢な資産を持つ高齢者が増える一方、核家族化が進み、独居老人が増えています。内閣府調査によれば、一人暮らしをする高齢者は増加傾向にあり、2015年時点で65歳以上の高齢者全体の18%に及びます。高齢者の6人に1人が一人暮らしをしていることになります。
裕福な高齢者が一人暮らしの末に孤独死したとき、家族に伝えていない預金があっても不思議ではありません。そのため「遺族がタンス預金を知らないまま、家具が廃棄され、中にあった現金が発見されるということが起きてもおかしくない」と前例の警察署は話す。
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先の「タックス・ヘイブン」での海外に回避されている額が”62兆円”。国内の”タンスの中に眠る現金が”43兆円”
それに対して、我が国の歳入総額の所得税、法人税や消費税などの”租税及び印紙収入額”は54.4兆円(2015年度)です。
なお、現在の日本は税収や税外収入では国家歳出残体の6割程度しか賄えていません。この結果、約4割は公債金=国債発行などに頼っています。
また、少子高齢化で人口減少=市場の縮小に対し、海外展開でグローバル化する企業は、海外での利益を国内に還流せず、更なる海外展開に備える資金として海外でプールするという企業の利益の「海外保留金」も膨大な額です。
(記事参考:MONEY PLUS編集部 2017/11/15)
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木