『タックス・ヘイブン(租税回避地) : マルサ(国税査察官)』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4351)
『Tax Haven (タックス・ヘイブン)』
一定の課税が著しく軽減、ないしは完全に免除される国や地域のこと。低課税地域・租税回避地とも呼ばれ、主なところに、ケイマン諸島、ヴァージニア諸島、香港、シンガポール、ルクセンブルグ、パナマなどがあります。
なお、Havenは(避難地)の意味であり、(楽園・天国)を意味するHeavenではありません。
『富裕層の申告漏れ=441億円・目立つ海外利用取引き‐国税庁』
全国の国税局が今年6月までの1年間に実施した所得税の税務調査で、富裕層の申告漏れが総額441億円にの上ったことが国税庁のまとめでわかった。申告漏れは富裕層対象の調査4188件の8割にあたる3406件でみつかり、追徴課税は127億円。
これは、国税庁の課税漏れデータ発表です。同じ財務省の海外取引での関税・内国消費税の課税徴収を担う関税局・税関から見れば、「こんなバカな数字があるか!? 桁(ケタ)が2つ以上違うだろう~」という実体と大きく異なる数字です。
現在、大企業や富裕層は、法の抜穴を衝いて、このタックス・ヘイブンを利用しています。国際決済銀行(BIS)の発表によると、2015年の時点でケイマン諸島には日本の大企業や富裕層の金が約63兆円も投じられているのです。63兆円というと国税収入を超えるような金額です。
この63兆円に対し、国税庁が発表した追徴課税の127億円というのは、わずか0.03%に過ぎないのです。
「国内取引でネチネチ調べて、わずかな追徴金を課税するヒマがあるなら、もっと海外取引調査の態勢を充実させて、適正な課税評価、大掛かりな海外調査を!」との声が高まりつつあるようです。
〇「富裕層の申告漏れがたった441億円だと? 元国税調査官が怒りの警告」
(時事通信:2017/10/31)
〇「国税局のガサ入れ調査が、「大企業」に入らない黒い理由」
(MAG2 NEWS 2017/11/17)
『パナマ文書・パラダイス文書での課税回避者』
「マルサ」=国税局調査査察官、脱税の容疑がある納税者に対して、裁判所の許可をとって強制的に調査をする国税局の部門です。「任意調査」と「強制捜査」があり、この強制捜査を担当するのが”マルサ”です。警察の逮捕や家宅捜査と似たようなものですが、黙秘権はないです。
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同じ財務省の関税局・税関は、輸入品に課税すべき関税・消費税の課税評価につき、「税関相互協定」などによって各国の税関当局との情報の共有を図り、「事後審査制度」による課税調査を進めていますが、大企業・大手メーカーへの国税庁の税務調査は”任意調査”のみで、”強制捜査官(マルサ)は大企業には入らない”・”海外取引には入らない”とする意見も聞かれます。
私見ですが、今後の国税局調査官(マルサ)においては、「通関士以上の国際課税スキル」がないと、中小企業も含めての国税課税調査は今後難しいのでは?、と感じます・・。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木