『「村上水軍の娘」SHIP OWNER ”エヒメ船主”ー③』
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【愛媛県今治市の外航船船主数】
・旧今治市:(34),・旧伯方町:(14),・旧波方町:(11)、・旧新開町:(1)=「総数:60社」
【愛媛船主保有外航船の船籍国】
・パナマ船籍:(85.5%)、シンガポール船籍:(5.1%)、バハマ船籍:(4.8%)、フィリピン船籍:(1.3%)
・リベリア船籍:(1.1%)、香港船籍:(0.9%)、その他:(1.3%)
60社あるといわれる「愛媛船主(エヒメ・オーナー)」の多くは従業員数数人の零細企業のかたちをとっているが、世界の海運業界では、ギリシャや香港の海運王たちと肩を並べる知名度がある。彼等に会うために、国内外の海運大手幹部が飛行機や電車を乗り継いで人口約17万人の町に足を運ぶ。
「愛媛船主」の存在感の源は、持っている船の数だ。所有する外航船(国際航路を運航する船舶)は、明らかに名っているだけでも計830隻。コンテナ船や貨物船、タンカーなど多岐にわたり、その船の資産価値は2兆円を軽く超える。日本の海運会社が運行する約2700隻のうち、実はその約3割が”愛媛船主が貸している”のだ。
そんな愛媛船主だが、経営の実態はベールに包まれている。資産規模は大きいが上場もしていない。今治市の海事都市推進課の職員は、「社屋にも会社の看板がぽつんとあるだけで見過ごしてしまいそうになる。市民ですら船主の存在を知らない人が多い」と言う。
『背景に瀬戸内水運の歴史』
今治は少なくとも平安時代には、瀬戸内海を往来する水運の拠点として知られた。造船業者が集まる血でもあり、建造隻数では国内の2割弱を占める。船主も戦前から多く、太平洋戦争時に多くの船を徴用されていったんは財産を失った。その後、朝鮮戦争の特需をきっかけに持ち直し、日本の高度成長に支えられ、国内を中心に船団を拡げてきた歴史を持つ。
「愛媛船主」の存在・拡大の理由の一つは「愛媛方式」と呼ばれる商習慣にある」と言う。地元の造船会社が船主に対して船の建造代金の分割払いを認めてきたことを指す。
古来、水夫たちが天候や潮流、航海術などを地域に伝えてきた今治では、海運・造船業界の結びつきが強く、互いに支え合う意識があった。その”歴史的遺産”とも言われる。
(記事参考:都留悦史 氏( GLOBE 記者))
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