(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4278)
4日振りに更新します。試験前の3日間は、敢えて更新を控えていました。
昨日は、「第51回 通関士試験」を受験された皆さんは、大変にお疲れ様でした。やはり気になるので、神戸試験会場(神戸大学)に僕も立ち寄り、後方から応援し試験の雰囲気を確認していきました。
それぞれの科目の内容を詳細に確認しているわけではないのですが、ここ数年間の”奇を衒(てら)う問題”から一転して、”基本を固めた問題”であったような気がします。
それだけに、「確実な基本の理解スキルの充実」が受験生に求められた出題構成だと感じています。昨年や一昨年レベルの出題、あるいは、それ以上の問題を想定して試験に臨んだ受験生からすると、ある面、「肩透かし」の感も拭えず、自分の問題内容の読解に不安や恐れを感じたのが実感であったかおも思いますが、試験まで着実に基本の理解に努めてきた受験生にとっては、”スッキリと納得のできる試験内容で、自分なりに達成感を感じて終了できた”のではないでしょうか?
例年通りの判定基準=「各科目ごとの基準点以上の正解」、「正しいものをすべて選べ」や「正解がない場合は0をマークせよ」での基準点以上の確保はやはり難解であることに違いはありませんが、昨年や一昨年の試験と比べて、「得点率があがっている」ことは間違いないと思います。「得点率が高い」=「合格率が上がる・合格者の増加」と一般的にはなりますが、二つのことを感じています。
1)「通関業者の通関従事者からの”合格者”の増員」
業界内部の実態においては、”同一企業内の各支店間で、通関士の引き抜き合戦”に陥るほど、通関士が不足しており、また、業法の改正による、「通関業務の量・質に見合う必要とされる通関士の設置」の確保がないと、税関からの「業務改善命令」を受け罰則の対象とも成り得る改正に備えるための通関士増員への”科目免除者(実務従業者)の合格者増員への問題構成”
この場合、昨年・一昨年と一転して「合格率」は上がります。合格率=15%~20%近く=昨年の倍以上に跳ね上がる可能性もあります。
2)「各科目とも基準点以上の正解」
通関士試験の「合/否判定基準」は、事前には発表されていません。合格発表に合わせて公表されます。
[各科目ともに基準点以上の正解(概ね、6割以上の正解)]の表現です。実質的に平均的に6割以上の正解を得ること自体が難しい問題公正なのですが、これは厳密に言えば、”各科目とも6割以上の正解者は全員の合格”ということにはなりません。
「各科目とも6割以上~」とは、合格の最低基準を述べているだけであって、「実質の合格基準」は、毎回の試験において”一切、公表されてはいません”。
「各科目ともに6割以上の正解者であって、なおかつ、~~の正解を得る者を合格者とする」というバックの”付加条件”があってもおかしくない”概ね(おおむね)6割以上”という表現です。 言われるように、「一定数量の合格者=1000人/全国=10%」に抑える方向の継続ならば、「合格率=10%前後の確保」に合わせて、『合否判定基準』を(6割以上の実質〇割!)とアップされている可能性もあり得る。と穿った見方が残されます。
少なくとも、今回の第51回通関士試験においては、その”合格への正解率アップ”はあっても、”ダウンはあり得ない”=「救済措置」がないことは事実でしょう。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木