『貿易のグローバル化と輸入申告書作成問題の多様化』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4238)
「落とすための問題編集・・・」、受験生の中からよく聞かれる言葉です。あながち間違った表現とも思いませんが、先に重ねてアップ済みのように、通関士試験の合/否判定基準の一つに「受験生の基礎事務処理能力」の判断がありますので、各受験生の「読解力」、「算数力」などの基礎スキルに加え、時間内での「迅速・適正処理能力」、「沈着・冷静遂行能力」を判断するための問題の複雑化が正解とも言えます。
これは、「試験問題として、”問題のための問題”として解答困難な複雑な問題を編集する」というものではなく、経済のグローバル化という言葉に代表されるように、かつての通関手続きに必要とされたスキルに比べ、現状~将来の通関手続きにおける内容が、極めて多様化・複雑化へと急展開していることに起因し、国家資格試験として”合格者”として認定する判断基準として、これらの内容を遂行できる基礎スキルと性格を保持している人の選抜という意味に他なりません。
いまだに業界においては、通関業=乙仲(乙種港湾仲立ち業)と呼ばれています。確かに、50年前に港湾荷役業からスタートした資格であることは紛れもない事実です。しかし、それから半世紀を経た今~将来、その姿は当時と大きく異なり、さらに変化しようとしています。現状の乙仲(おつなか)が関わる適正な呼び名は、国際物流業としての「国際ロジスティクスサービス」であると感じています。
「我が国の関税制度」という位置づけから、「国際間締結、国際条約の履行のための国内法」という、”まずは先に国際条約ありき”という変化です。我が国独自の関税行政から、”国際間で、統一・整合された通関手続き”への共通化です。
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これらのポイントにおいて、TPP(環太平洋経済連携協定)は米国の離脱によって見直し現状ですが、オーストラリア、モンゴルと締結されてきた15を超える2国間・地域のEPA(経済連携協定)による関税譲許(特別特恵関税)は、EU(欧州連合)との概ね合意に至り、EPA税率とは”相互間関税譲許”ですから、通関スキルにおいての”関税率”に対する認識・判断スキルは避けて通れず、通関士試験の対象解答箇所になっていないとはいえ、NACCS区分やEPA税率表、及び、「有税/無税品の別欄」、「減免税品の別欄」や「税種/税率の異なる別欄」などの「関税率の解釈・判断が組込まれた出題」の可能性は極めて当然の現状であると強く感じています。
blog up by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木