(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (4100)
「Chav(チャブ)」という英語をご存じでしょうか? 知っている人はかなりの”英国通”だと思います。もっとも、最近は、日本でも言われ始めているのでしょうか?
「Chav」とは、英国の低所得者層階級を親に持つ不良少年少女の俗称である。フーディーズ(Hoodies)と呼ばれることもある。
服装はいわゆるストリートファッションであるとされ、フードの付いたパーカーやジャージに加え、特にバーバリなどのブランド物を好んで着用する。またヒップホップ文化とも親和性が高い。
なぜ? こんな話題をアップしているのでしょうか?
その理由は、やはり「英国のEU(欧州連合)離脱の国民投票結果」です・・。
英国人について、EU離脱からどんな結論を引き出すべきなのでしょうか?
ー以下、エマニュエル・トッド氏のコメントより引用=
「私はあの結果(EU離脱)に驚きませんでした。私は英国人をわりとよく知っています。その国民感情の強さを知っています。人々は、自分自身について日本人と同じくらい強い確信を持っています。同じ島国ですし。
だから、与党の中からポリス・ジョンソン氏みたいな輝かしい人物、”反EUの指導者が登場したことには、あまり驚きませんでした。
驚いたのは、EU離脱をめぐる国民投票内容についての社会的文化的構造の方です。
それは、「大衆の声」と「文化的なエリート」たちの対決の声という構造になっていました。
つまり、離脱に投票したのは普通の人達です。大学教育は受けておらず、イングランド北部、南部、中部の大衆的な地域に暮らす人々。これに対して、左派・右派に限らず、高等教育を受け、高級紙の「ガーディアン」を読み、親EUの人たち、この人たちは、「EU離脱という結果」に唖然としていました。
私が驚くのは、
”大衆層がエリートにはむかうことができた”という点です。なぜなら、それは”フランス的”だからです。フランスでは、大衆がエリートに刃向かうには、まあ伝統みたいなものです。歴史的にみると”日常茶飯事”です。
しかし英国では、エリートに対して社会的に敬意を払うという伝統があります。つまり、目上の人の優位性を受け入れるという習慣です。
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英国で見られたことは、エリートへの敬意が保たれるのは、指導層がある程度の国民の安全をきちんと示しているときに限られるということです。これはグローバル化への批判の重要な点です。
(文:エマニュエル・トッド氏 歴史家・文化人類学者 フランス)
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明治維新後、欧米の価値観をもってアジアの中で唯一に歩んで来た日本。日本の新世代の価値観・感情は大いに”欧米的”と言えます。この意味で、「エリート層」への「大衆層」の反乱=『ポピュリズム』。米国の英国の次に来るのは、日本を培ってきた「官僚体制の自浄」が急がれると感じるのは、私だけでしょうか・・?
Blog by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木