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『中国主席、トランプ氏の開けた国際舞台の「穴」で存在感』
-中国の周近平国家主席は初めて
世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)に出席し、グローバル化と国際協力を擁護する講演を行った。-
ダボス会議の場では聞き飽きたこの主張も、中国主導者の発言としては随分と国際的で壮大なビジョンだ。
それもこれも、トランプ新大統領の登場によって米国が国際舞台に「穴」を開けたからこそ。
米国が内向き姿勢を強めるなら、中国は気候変動から地域一体の安全保障に至るまで、より大きな影響力を行使できるようになるかもわからない。
見方によっては、習氏がグローバル化を擁護するのは不思議ではない。国際貿易のおかげで大勢の中国市民が貧困状態から脱した。中国はグローバル派としての地歩を固めようとしている最中でもある。
米国が貿易協定に背を向けようとしている一方で、中国は協定を推進し、
アジアインフラ銀行(AIIB)も設立した。
とはいえ、グローバル化の旗手と呼ぶには周氏には欠陥が多すぎる。第一に、多国間主義や開放性を標ぼうする割りに、どう見ても”いいとこ取り”の誹りは免れない。最近では、南シナ海問題を巡る仲裁裁判所の判決を拒否。現在は中国本土での事業環境を外国企業に不利なものにしようとしている上、インターネットでの検閲も強化している。
中国はまた、米国のような専門技術や人材を欠いている。
札束攻勢が多少功を奏しているようだが、相変わらずアジア近隣諸国への多くの国から警戒の目で見られている。
米国は富裕層の市場を抱えるが、中国は貿易相手にそうした市場を提供できない。トランプ政権が誕生し、英国が欧州連合(EU)から離脱する時代においては、これまでのような密室外交も通用しなくなるだろう。
中国は長年、国際世界を主導する役目を引き受けたがらなかった。
世界の警察官になるためには、多くの人命と資金を犠牲にする必要がある。中国が本当にそうなりたいのか、あるいはなれるかはまだ不明だ。
しかし、トランプ政権がより包括的な世界感を明示できなければ、グローバル支持者らの視線は徐々に中国へと転じるであろう~・・。
(記事出所:コラムニスト私見(Reuters Breakingviews)・ダボス(スイス)1月17日 ロイター)
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