(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3171)
前号の「コーヒー:第9類の「輸入取引きの認定及び課税価格について」の評価回答
【回答内容】
輸入者とS社との間の売買が関税定率法第4条第1項に規定する「輸入取引」に該当し、輸入者とS社がそれぞれ買手、売手となります。
【理 由】
関税定率法第4条第1項において、
輸入貨物の課税標準となる価格は? 当該輸入貨物に係る取引きがされた場合において、当該輸入取引に関し買手により売手に対し又は売手のために、当該輸入貨物につき現実に支払われた又は支払われるべき価格に、その含まれていない限度において運賃等の額を加えた価格とすると規定されています。また、以下の基本通達において;
4-1(1)
輸入取引とは? 本邦に拠点を有する者が買手として貨物を本邦に到着させることを目的として売手との間で行った売買であって、通常、現実に貨物を輸入することとなる売買がこれに該当するとされています。
4-1(2)
当該貨物が輸入されるまでに当該貨物について複数の取引が行われている場合には、現実に当該貨物が本邦に到着することとなった売買が【輸入取引】となるとされています。
4-1(3)
輸入取引における売手及び買手とは、実質的に自己の計算と危険負担の下に輸入取引をする者とされており、具体的には、買手及び売手とは、自ら輸入取引きにおける輸入貨物の品質、数量、価格等について取決め、瑕疵、数量不足、事故、不良債権等の危険を負担する者とされています。
【検 討】
(1)輸入者と輸出者との間の契約について
本件輸入に関して、輸入者と輸出者との間で購入契約書を締結しており、これに基づいて輸入貨物のインボイスが作成された上で貨物が輸入され、また輸入者はインボイスに記載された金額を輸出者に対して支払います。
当該購入契約書は、輸入者とS社との間で既に売買契約が成立しているコーヒーのうち、S社が今般輸出者から買付けたものを輸入者が輸入する貨物として割振り、当該割振った貨物を輸入するに際し、S社が輸入者に対しその貨物の価格を通知するために、S社によって作成されています。このため、輸入者と輸出者との購入契約書により貨物の品質・数量等を取決めている事実はありません。
また、輸入者が、S社が輸出者から買付けた本件輸入貨物を輸入するに際しては、輸入者がS社に船積指示を出し、その指示を受けたS社が輸出者に貨物の出荷を指示し、その指示を受けた輸出者が貨物の船積を行います。このため;
・輸入者と輸出者との間の購入契約書により貨物が実際に輸入されることとは認められません。
以上の事実を考慮すると;
・輸入者と輸出者との間の契約は、現実に貨物を輸入することとなる売買であると認められません。
【輸入者とS社との間の契約について】
【本件輸入貨物の課税価格について】
(次号に継続アップします。)
(記事出所:関税照会への回答:横浜税関業務部首席関税評価官 平成28年6月29日)