(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3142)
〇 輸入取引きに係る輸入貨物の決済において、「延払金利]は現実支払価格に含ま
れない=「控除費用である。」
〇 輸入取引きに係る輸入貨物の決済条件等において発生する金利額を買手が負担
する場合は、現実支払価格を構成する=「加算要素」となる。
(※)
同じ『金利』ながら、一方は、『非加算=控除費用』とされ、他方は『現実支払価格に含まれる=加算要素』となる。この違いはどこにあるのでしょうか?
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いずれにしても、この『金利』の解釈に限らず、関税定率法第4条中の「語句」の”記憶”に留まらず、各条文規定の”主旨の理解”と、必要以上に回りくどく複雑化された出題の記述を”冷静・沈着ー敏速・適正”に読み取る『読解力”のスキルアップ』を図らないと、他の課税価格決定要素の場合においても、ことごとく計算問題の不正解解答に繋がります。
そして、昨年から@2点と得点改正配分の改正となり、この「課税価格決定の計算問題:3問」の全てを失点することは、[不合格]に直結する大きな部分と成ることは確実・”決定的”な問題部分です。
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輸出者=(売手)は、輸出貨物を買手(輸入者)に供給するに当たり、輸出貨物を仕入れるか、製造するため、商品仕入れや原材料購入の”原資=資金”を必要とします。充分な自己資金が売手にない場合は、金融機関から融資を受けて金利分を負担することになります=この金利額は、輸出貨物のコストの一つとなりますから、この金利を加えた額が輸出貨物価格の原価になります。
売手(輸出者)が、輸出貨物の仕入や材料調達に要した費用は、買手(輸入者)の決済金の入金があるまでは返済・入金ができないわけで、この間は何らかの資金持出しで、借入・持出しに対する金利が発生することになります。
一方、「前払決済」等であれば、前もって買手(輸入者)からの入金を受け、その資金でもって、輸出貨物の仕入れや原材料調達ができるわけで、売手(輸出者)の「輸出貨物に対する自己資金負担」は発生しません。
当初決済契約が「前払い決済条件」で、これを「輸出後決済条件」に変更し、その決済条件変更に伴う売手(輸出者)の輸出貨物の仕入れ・製造資金調達から買手(輸入者)からの決済までの期間の発生金利を買手(輸入者)が支払う場合は、当然に現実支払価格に加算される=「加算要素」になります。
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【延払い金利】
輸入取引きに係る輸入貨物の決済金額は確定済みです。=当事者間で”確定している輸出貨物の代金”の支払いを遅らすことです。
つまり、輸出貨物の決済代金=「課税価格」は確定済みであり、貨物の代金とは別に、当事者間での決済時期の融通を行うことで発生する”金融取引き上の負担発生”であって、「輸入貨物の経済的価値」=【課税価格とは?】とは無関係の別要因発生する負担金と言えます。
つまり、売手(輸出者)の輸出貨物の販売(輸出)価格を決定するうえで、価格に計上される経費に組込まれるか・否か?が、「金利の加算/非加算(控除)」を決定する上での要件となります。
輸出(船積)前に、本来、売手が貨物の経費計上すべき金利を仕入書価格とは別途に、買手が負担し支払う場合において、この「金利分の額」は「輸出貨物の輸出価格を構成する経費の一つ」として、仕入書価格に加算すべき価格となります。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木