(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3130)
通関士試験・「通関実務科目(その他問題)」には、計算問題が5問出題され、その内3問が「課税価格の計算問題」であることが一般的です。
この「計算問題」は、「選択式問題」と同じ、昨年から@2点の得点配分に改正されています。
実質的に、この
「計算問題を制する受験者が合格を制する」と言っても過言ではないのではないでしょうか。
近年の貿易形態は、従来の「輸出者:輸入者=(売手:(買手)」という単純な形ではなく、「国際企業の出現」や、「海外製造」、「海外製造委託」と、極めてグローバルな多様化が実情です。
出題によっては、売手、買手、生産者、海外子会社、仲介者、委託先物流会社、集荷人、輸出国公的検査機関など・・、5社も6社も関係先・経費が計上される出題も見受けられます。
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関税定率法第4条において定める「課税価格の決定方法」の条文中における「語句」のみを捉えて課税価格を算出することは、現状では極めて困難で「取引関係の全体像」、「国際物流の全体像」の中で条文の「語句」の課税価格の計算上の位置付けが決まります。
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このポイントで注意すべき費用の一つとして
「輸出国における保管料=倉庫料」があります。
原則的には、「輸出国における保管料」は、『輸入港到着までの運送に係る費用の一部」として、”加算要素”として考えられますが、『EXW(工場渡し/倉庫渡し)条件での売手から買手への貨物引渡し後、国際物流上の利便や、買手(輸入者)の営業採算性からの理由で輸出国の倉庫に保管する倉庫料は、
”貨物引き渡し後の買手の自己都合による保管料”として、課税価格には加算されない費用となる場合もあります。
一方、同じ「EXW条件」での輸入の場合であっても;
「輸出国のEXW条件で購入された貨物が、船積予定船の到着遅延により、当該船舶が到着するまでの間一時的に輸出港で保管される場合の保管料(倉庫料)は、”その他運送に関連する費用”として、課税価格を構成する加算要素となります。
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「課税価格の計算問題」において、条文中の語句で、”短絡的に判断”することなく、出題内容の全体像をとらえ、問題記述の各経費が”課税価格決定において、加算要素か?、控除費用か? 関係ない費用か?”を理解・判断する”読解力”を早期に構築していかないと、この「課税価格計算問題」を3問共に不正解で得点を失うことは、まず合格は望めません!
受験者のあなたが、「私は国際物流に関わっていないから、出題の全体像が掴めない・・」と嘆くのは簡単です。しかし、それは、今の時点ですでに”合格を捨てている”ことになります。『合格』のためには、この『計算問題』を避けて通る道はありません!
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木