(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3099)
「近年の通関士試験の問題記述は、受験者を
”煙に巻く”ような記載の特徴がある。」と書きました。
その具体的な内容の一つとして、
「(深読み)/(浅読み)」があります。
つまり、出題に対して受験者が、「必要以上に考えすぎてしまう」あるいは、「問題の要点を理解しきれず、簡単に判断を下してしまう」という、問題の主旨に対して、(突っ込み過ぎ)/(詳細規定への検討不足)と言う意味になります。
『第46回(2012年)通関士試験問題 関税法等第21問・選択肢ー1』
【問 題】
1)特例委託輸入者は。関税・内国消費税及び地方消費税の保全のために必要な額に相当する額の担保をあらかじめ税関長に提供しなければ特例申告を行うことはできない。
【解 答】
✖ 問題の記述は誤った記述である。
【解 説】
税関長は、関税等の保全のために必要があると認めるときは、特例委託輸入者に対し、金額及び期間を指定して、関税等につき担保の提供を命ずることができるものとされているが、特例委託輸入者は、担保をあらかじめ税関長に提供しなければ、特例申告を行うことができないとはされていない。
(関税法第7条の8第1項)
☆
(関税法・基本通達7の8-2)
認定通関業者に特例委託輸入申告を委託した特例委託輸入者が行う輸入申告に係る貨物の価格の合計額が
20万円を超える場合には担保の提供を命じられることとなる。そして、その提供すべき担保の額は、貨物の価格にその価格の10%を加算した額を基礎として算出した関税等の額とする。
なお、担保の提供を命じられた特例委託輸入者がその命令に従わない場合には、特例委託貨物に係る貨物の輸入は許可されないこととなる。
(※)
つまり、問題の記述が、
「法令規定のどこまでのレベルの解釈を求める出題であるのか?」
具体的には、(原則論範囲の規定に係る問題記述か?)、(基本通達規定までの具体的な内容までも含めた問題記述か?)
それを、迅速・適正に読み取り、問題主旨に従った解答を選ばないと正解にはならない。それが、僕の言うー
「読解力」という意味であり、近年の通関士試験の大きな特徴です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木