(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3095)
私たちの”常識”としての「輸出」とは=我が国から物品を海外に送り出すこと。と認識してきました。多くの法律も、”常識”と同じ規定をとり具体的には、「我が国から海外に向かう船舶や航空機に貨物の”積み込み”」を輸出とします。
しかしながら、「関税法」においては、この我が国から海外に向かう船舶などへの輸出港での貨物の積込みを大きく言うと「輸出」・「積戻し」・「仮陸揚げ」と”3つの行為”があると区分しているのです。
【輸 出】 =本邦から(内国貨物)を外国に向けて送り出すこと。
【積戻し】 =本邦から(外国貨物)を外国に向けて送り出すこと。
【仮陸揚げ】=元々、日本への輸入を目的とするものではない(外国貨物)を
再び外国に向けて送り出すこと。具体的には、日本の港での
積替えなどの運送上の理由等がある。
☆
ここで、何点かのポイントが生じてきます。
・「積戻し」は、輸出ではないので、「輸出申告」は要しません。
しかし、「積戻し申告」を必要とし、その具体的な手続きは、ほぼ輸出申告
に準ずる。
(関税法第75条)
・前号アップでの外為法・輸出貿易管理令においては、その多くが「国際条約・
国際協定」での国際的なきまり・約束を我が国として順守するために経済
産業省が規定した国内法であり、「仮陸揚げ」=(通過貨物)に対しても、
国際条約上の取締りの責を負います。
・関税法での輸出は、「我が国(日本)からの(内国貨物)の海外への送り
出し」としていますが、(※)関税定率法での輸出は、「特定の国から
他の国への貨物の送り出し」と輸出の定義が異なります。関税法では、
「日本からの送り出し」しか規定していませんが、関税定率法は、海外A国から
海外B国への貨物の送り出しも「輸出」との規定です。
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関税法の内部においても、「原則規定」と特別例外規定の「特例輸出申告」
があり、手続きの内容はまるで異なります。
さらに、「特定輸出申告」と「特定(委託)輸出申告」の間においても異なる
手続きとなります。
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20万円以下の「郵便貨物」の輸出については、関税法第76条~第78条の”特例”
により、原則的な関税法上の輸出申告手続きは適用されない。
いかがでしょうか~? これらの「(原則)とは異なる(例外)を、保税とか,
検査、他法令などどリンクさせた問題記述で出題させてくるのであり、「単発な語句・条文」を”丸暗記”の受験対策では、近年の通関士試験問題に対して、”内容理解”の無い限り、とうていに対応不可能です・・。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木