(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3069)
しばらくの間、「IoT(Internet of Things=モノのインターネット」と呼ばれる第4次産業革命(Industry4.0)を中心にアップしてきました。
これらのアップをみると、あたかも僕が”ITおたく・ITかぶれ”と思われるかもしれませんが、極めてPCスキルの低い、反対に現況を”苦々しく感じる”PC嫌い”のマニュアル人間です。
しかしながら、「ビッグデータ」、「フィンテック」、「クラウド」、「IoT」、「M2M」などの産業・経済・金融の電子化、情報集中化への革命は避けて通れない流れと強く感じています。
『大ヒット日本酒「獺祭(だっさい)、杜氏の勘を「見える化」旭酒造の挑戦』
安倍首相が、オバマ大統領のお土産に渡し、ロシア・プーチン大統領の誕生日プレゼントに贈った吟醸酒の「獺祭(だっさい)。その名前と人気はご存知の人も多いと思います。一升瓶(1.8リットル)が数万円もしますし、手に入れるには数か月を待たねばなりません。
獺祭は、山口県・岩国市の山間にある200年の伝統を持つ小さな酒蔵である旭酒造の桜井博志社長が作り出した吟醸酒です。「獺祭」の名は、朝日酒造の隣の小学校生徒が9人という典型的な過疎地の地名「獺越(おそごえ)」の一字をとって名付けられた名前です。獺祭はその山間過疎地に似つかわしくない近代ビルで製造され、世界18ヵ国に輸出されています。
日本酒は伝統を受け継ぐ酒蔵において、強いしきたりの中、杜氏(とうじ)と呼ばれる専門職の勘にたよって冬に仕込まれ醸造されてきました。しかし、獺祭の成功は「脱・杜氏」という生産体制の見直しがきっかけだった。
長い歴史を持つ日本酒は、杜氏と呼ばれる技術者集団が酒造りを担ってきた。全国の杜氏には流派があり、酒造りの季節だけ蔵元(酒造会社)に出向き、酒を仕込むのが慣例だった。経営者であっても酒造りに口をはさむことはできない。桜井社長は、「杜氏に頼らない酒造り」への挑戦を始めた。
温度を一定に保つ空調設備を備え、冬場だけだった仕込み作業を年間を通じて行えるようにした。
たえまなく酒造りに取り組むことで、社内にデータが蓄積・共有され、品質の改良が進んだ。
社外の人間である杜氏が製造を担うのは、メーカーとしておかしかった。また、日本の職人文化では自分の頭に経験を叩き込むけれど、それでは品質にムラができていた。「杜氏の経験の蓄積を「見える化」して社内で共有すればよいんです」桜井社長はこう語った。
生産拡大を図ろうにも、原料の酒米(山田錦)が足りない。栽培が難しく農家が敬遠するからだ。
本蔵の生産能力を最大活用するには、年間20万俵の酒米が必要になる。桜井社長は業種の壁を越え、酒米(山田錦)の生産拡大に取り組んだ。平成26年、富士通が開発した農家支援システム「アキサイ(秋彩)」での起業的農業経営システムの導入を推した。例えば、水田などにセンサーを設置し、土壌湿度や温度を計・管理し、安定した生産を目指す。蓄積したデータは、ネットを通じて全国の契約農家と共有できる。
添付画像は、旭酒造・桜井社長が建てた酒蔵(本蔵ビル)です。日本のみならず、世界で大人気の吟醸酒・獺祭(だっさい)が、よもや、このような近代ビルの中でセンサー管理のハイテク製造がされているとは想像できるでしょうか?
(記事参考:産経WEST 2015/08/29)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木