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『貸し自転車や船に広がり「IoT)」が変える暮らし』
ー山田 剛良 氏 (日経コンピューター副編集長・日経エレクトロ二クス記者ー
「IoT」という言葉をよく聞くようになった。「インターネット・オブ・シングス」、直訳すれば「モノのインターネット」となる。これだけでは具体的に何を意味するのかわからない人も多いだろう。
だが、既に様々な領域でIoTの実用は進んでいる。
都内の中央区や千代田区、港区などで赤いレンタル自転車が並んでいる。2015年2月にNTTグループ4社が出資して設立されたドコモ・バイクシェア(東京・墨田)が運営するIoTレンタル自転車だ。
利用者はサドルの後ろのセンサーに登録済みICカードをかざすか、スマートフォン(スマホ)経由で認証してロックを外して借りることができる。返却時はステーションに戻してロックを掛けるだけ。完全無人でレンタル自転車の事業を運用している。
これができるのは自転車の利用状態をネット経由で把握できる仕組みになているからだ。現在位置を把握するための全地球測位システム(GPS)、動いているかどうかを確認する加速度センサーなどを備えている。これらの情報をネットに送る通信機能を持ち、ネット上のサーバーに情報が常時蓄積される。これにより、それぞれの自転車の状態をセンターでリアルタイムに把握できる。盗難や返却忘れにも対処する。
船舶検査などを手掛ける
「日本海事協会」が2015年11月から提供を始めたのは、航行中の船舶のエンジン不調をいち早く見つけるシステム。もともと機関室などに備えられた70種類のセンサーを使い、エンジンの温度や圧力、回転数などを収集してサーバーに集約する。集めたデーターを正常なエンジンデータと比較・分析して異常をいち早く検知する。これにより、大きな故障や事故を未然に防ぐことができる。
IoTは高性能かつ安価な民生品の技術により、圧倒的に安くサービスを提供できる。ネットやスマホの普及がもたらした価格破壊がIoT時代を切り開いたといえる。
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調査会社のIDCジャパンは2014年に9兆3645億円だったIoT関連の国内市場が、2019年には16兆4221億円まで伸長すると予想する。ベッドやトイレで集めた情報で体調を把握したり、冷蔵庫の食材を使った献立を買い物中にアドバイスしたりするようなサービスが当たり前になる。
(山田剛良 氏 日経コンピューター副編集長 2016/01/25)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木