(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3016)
2月14日の「バレンタイン」を控え、各デパートや通販では「チョコレート・コーナー」が賑わっています。このチョコレートを贈る風習は、1950年代に日本のみで始まったものです。
チョコレートの原料は「カカオ」の実です。飲み物としての「カカオ」は二千年の歴史を持ちますが、ミルクチョコレートは1875年にスイスで開発された歴史の新しい菓子です。
【カカオの産地】
現在、世界のカカオ生産の約7割をコートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、カメルーンといった西アフリカの国々が占めています。中でもコートジボワールは世界の43%の生産量をかかえ、国民の3分の1がカカオかコーヒー農園で働いると言われています。
【カカオ農園で児童奴隷売買】
2001年4月13日に西アフリカのギニア湾で、10歳~14歳の子供139人を乗せた船が消息を絶った事件の報道がありました。船に乗っていたのはアフリカ近隣の子供達で、コートジボワールのカカオ農園で働かせるために売り渡されるものだったようです。
【カカオ生産地での児童労働の現状】
IITA(国際熱帯農業研究所)が実施した西アフリカのカカオ生産における児童労働の調査では、コートジボワールだけで約13万人の子供が農園での労働に従事しています。カカオ農園は小規模な家族経営である場合が多く、子供が家族の手伝いとして働いている場合もありますが、1万2000人の子供が農場経営者の親族ではない子供達だったそうです。また、農園経営をする家庭の子供(6~17歳)の3分の1は、一度も学校に行ったことがありません。その中には(なんらかの仲介業者)によって農園に連れてこられた子供もいて、多国から誘拐され奴隷として売られて強制的に働かされているとの報道が裏付けています。この調査では、西アフリカのカカオ農園で働く子供の64%が14歳以下とされ、カカオ栽培の労働集約的な作業、特に農薬や収穫での刃物の使用などは子供の身体に危険をもたらす可能性が高いと指摘されます。
(記事参考: 世界の子どもを児童労働から守るNGO・ACE(エース))
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木