(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (3011)
韓国で、昨年2月に終了した日本との「通貨スワップ協定」の再開を求める機運が高まっている。
通過スワップは、経済力のある国が周辺国を支援する側面が強いため、事実上は韓国で経済危機が発生し米ドルや日本円が不足した時に、日本が通貨を融通して救済することになる。
昨年10月に日本経済団体連合会に対し、韓国の全国経済人連合会が再開を呼びかけたほか、政財界やメディアから日本との通貨スワップ再開を求める声が相次いでいる。
日本政府は、韓国の非公式による再開打診に応じる気はなく、韓国政府から正式要請があれば再締結に応じる方針だ。
韓国は従来、自国産業の輸出に有利なウォン安方向に為替レートを誘導する方向で大規模な為替介入を繰り返し、米国財務省や国際通貨基金(IMF)から批判を受けていた。
自国通貨=ウォン売り=米ドル買いを重ねた結果、外貨準備も積みあがってきたはずが、中国の景気失速と人民元急落に連動する形で一転してウォンが売り浴びせられている。
韓国当局は一転、逆にウォンを買い支える為替介入を余儀なくされ、外貨準備高は昨年、11月~12月と2か月連続で減少している。昨年度の各国外貨準備高ランクで、韓国は世界第8位で、1997年のアジア通貨危機当時と比べると充分な額があるとの見方もあるが、韓国の民間シンクタンク「韓国経済研究院」は、2014年現在の外貨準備高・3,636億ドル(約42兆7700億円)では、通貨危機発生時に必要な外貨準備水準に797億ドル(9兆3750億円)足りないと分析した。
中韓経済に詳しい経済評論家の上念司氏は、「韓国当局がウォンの買い支えを続け、外貨準備高が底を突きそうだと分かった時点で投機筋が群がってくれば、ウォンは大暴落し、アジア通貨危機時と同じような状態に陥りかねない。国内事情やプライドばかり優先していると、結局大きなしっぺ返しをくらうだろう」と警告する。
(記事出所:夕刊フジ 2016/01/23)
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木