(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2940)
前号アップの内容だけをみると、ちまたで言うスラングとしての「ハゲタカファンド」の賛同者との誤解を受けるともわかりませんね。
私個人的には、第二次世界大戦以前の1945年までの世界を(英ポンド)で支配した大英帝国を代表とする古いヨーロッパ体制への回顧も、大戦後の世界を米ドルでリードしてきた米国が今後の21世紀、我々のアジアに継続・拡大的に持ち込むことには好ましく感じていません。
貿易物品=輸出入物品の分類を行う「HS条約品目表」による物品の分類の基礎とするヨーロッパの物品感覚と日本も属するアジアの物品に対する感覚、商品の所属区分の間には大きな差異がありますし、経済、金融システムも、欧米とアジアには大きな差異があります。
また、「米ドルが絶対無比の世界機軸通貨」とする米国・金融機関の単一的な思考を受け入れることはできません。
私の本心は、
「アジアにはアジアの独自性がある。ヨーロッパとも、北米大陸とも違う、この独自性は尊重された志向をめざさなければならないし、無条件にヨーロッパやアメリカのやり方を受け入れることは間違いだ」。
とするものです。
その意味で、私は「ASEAN(東南アジア諸国連合)」に期待します。ヨーロッパの殖民地としての歴史を持ち、第二次世界大戦での大国間の勢力争いの狭間で翻弄されてきたASEAN各国はしたたかです。
アジアの取引・決済方式は、米ドル、円、人民元、アジア各国通貨という多様な通貨を取引の実態に合わせて複合t的・効率的に最大公約数を求める方向性を目差しています。
決して、EU(欧州連合)の『ユーロ』という単一統一通貨政策を真似るものでもなく、米国の力に一方的に屈することもなく、アジアの方式を作り上げようとしています。問題は、そのアジアの中で欧米的な大国覇権主義をとろうとする大国への「No!」の実質的な行動なのです。
それよりも、もっと大切なことは、我が国・日本が、「盲目的に欧米のやり方に取り込まれるか?」、あるいは、アジアの一国として、欧米とは違うアジア独自のやり方を21世紀に作り上げる動きに参画するか?
その選択にあるのではないでしょうか?
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木