『第49回通関士試験ー④ (キーポイントは、相互認証制度)』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2782)
今年(第49回)も含め、今後の通関試験にどのような変化が起こりえると想定できるのか?
を取り上げています。
過去、48回の通関士試験においても(変化)と呼べる、試験形式の変化な何度かあり、その年の「受験案内」によって、突然に変えられたものが大半と思います。
① (記述式)→(選択マークシート方式)
② (輸入申告書作成:1問)→(2問)
③ (通関実務科目の全体採点)→(個別採点)
② (申告書形式)→(NACCS形式)
③ (正解数指定の択一・選択式問題)→(正解数未定の択一・選択問題)
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過去、(記述式問題)の時代には、例えば「I/Q(輸入割当)とT/Q(関税割当)との内容及び、その違いを簡潔に述べよ」とするような問題でしたから、受験者の作文能力が、かなり要求されました。 申告書作成問題においても、申告書そのものを完成させる解答ですから、輸入申告では、消費税・地方消費税までの計算を完璧に要求される内容でした。今以上の(試験時間との戦い)であったように感じています。
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「通関手続きを大きく変化させている要因」として、様々な個別の理由はありますが、キーポイントとなるのは、
「AEO制度」であり、AEO制度の「国家相互認証制度」です。
コンプライアンス(法令遵守体制)に優れた者を承認し、敏速で簡易な通関手続きを与えるという制度は、WCO(世界税関機構)が提唱した国際的な新制度であり、我が国の特定輸出制度や特例輸入制度のように、既存の関税法原則を超える通関手続きを出現させました。
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さらに、この「AEO承認者による通関手続き」を輸出入双方の国において相互に尊重し合うという
「2国(地域)間の相互認証制度」の増大は、(我が国なりの通関手続き)を超えて(国際基準の通関手続き)への変化を急速に求められています。
最近における「EPA(経済連携協定)」締結の内容をみると、「AEO制度の尊重が柱となっている」と感じられ、我が国として直近の「日・豪(オーストラリア)EPA」に見られる、(原産地自己証明制度)等においては、その変化が顕著です。
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本年度版の
「通関士試験の指針」を入手、目を通しました。
「日・豪EPA」における内容の解説が10ページ以上にも渡って事細かく記載されており、本年度(第49回)通関士試験においては、この「日・豪EPA」を代表として、
『EPA税率の適用条件』に係る出題の可能性を懸念します。
[通関士試験の指針]の発行は、(公益財団法人)日本関税協会で、通関士試験を実施する財務省系の財団です。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木