『韓国 大宇造船、”超大型原油タンカー5隻を受注』
(貿易ともだち)さん、みんな(がんばるチャン!)してるかな? (2486)
前々号・No.1486の『韓国・製造業に逆風・・』に、わずか一日空いての今日のタイトルは、アップの話題に”大きなブレがある”ようで、いささか抵抗がありますが、事実は事実です。
韓国の造船所は今この瞬間も、数多くの”巨大船舶”を建造している。
韓国南部の釜山港周辺には、韓国の造船企業ビッグ3(サムスン重工業、大宇造船海洋、現代重工業)の造船所が集まり、世界最大のコンテナ船(全長:400m)や原油貯蔵船(全長:460m)、世界最大の石油リグ(油田掘削装置)の幾つかを作っている。
大きさが全てではない。大きさと同じくらい印象的で商業的にはもっと重要なのが、サムスン重工業が建造している4隻の「超深海型掘削船」だ。これらの掘削船は水深3000mの海底下から、さらに1万2000mのまで掘削をすることができる。エベレスト山(8848m)の標高を超える距離だ。
同社によると、海上が9メートルの波が襲っても安定した状態を保ち、掘削ができるという。
受注総トン数からみると、韓国より中国操船業界の方が多い。しかし、2013年7月までの1年間を見ると、韓国造船業界の方が米ドル換算で76.2%多く受注している。
作る船の種類が違い、韓国は”付加価値の高い”=特殊船を狙って受注しています。
問題は、日本の造船業界は、”なぜにこの事態を予想できず、この間、何をしていたのか?・・”
『大宇造船、超大型原油タンカー5隻を受注』
韓国の「大宇造船海洋」は16日、米国・スコーピオ・タンカーズ社から30万トンクラスの超大型タンカー(VLCC)5隻を受注したと発表した。
(※)「VLCC」
=Very Large Crude Oil Carrier=超大型原油運搬専用船=タンカー最大喫水23mのマラッカ海峡を通過できる限界の大きさの30万トン以上の大きさのタンカー(石油運搬専用船)
全長336m、全幅60mで約30万トンの原油を海上輸送できる。受注額は5億米ドル(515億円)ほどで、2016年上半期までに引き渡す予定だ。「大宇造船海洋」が30万トン以上の超大型原油タンカーを受注したのは昨年1月以来、2年ぶりとなる。同社は現在までに、今年の受注目標(130億ドル=約1兆3390億円)の96%を達成した。
(記事:朝鮮日報日本語版 2013/12/17・The Economisuto 2013/11/23)
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(製鉄)に並び、中国との熾烈な競争化における韓国・造船業界における受注ではあるが、前々号におけるアップのように、受注獲得に際しての”焦り”による「採算割れ」の危険性はないのであろうか?
これらの素材品質・技術力においては高いレベルを持つ我が国造船業界ではあるが、”価格競争”における受注優先の現状は、(造船不況)の日本と言われながらも、”赤字確実の受注”を受けるわけにはいかない・・。
しかし、これら、造船活況にわく韓国、中国、シンガポールで作られている主要機器の多くは日本から送られているのではなかろうか、というのが、前号のテーマです・・・。
by Gewerbe 「貿易ともだち」 K・佐々木